フェルナンド・トーレス(左)とヤニック・フェレイラ・カラスコ(右)【写真:Getty Images】
今季から中国スーパーリーグで戦う大連一方が注目を浴びている。“EURO2016優勝メンバー”の一人であるポルトガル代表DFジョゼ・フォンテを獲得するだけでなく、アトレティコ・マドリーで背番号10を背負うベルギー代表MFヤニック・フェレイラ・カラスコや、元スペイン代表FWフェルナンド・トーレスの獲得が噂されているからだ。怒涛の大型補強を仕掛ける大連一方とは、一体どんなチームなのだろうか。
大連一方は中国の遼寧省大連市を本拠地とするサッカークラブ。大連市にはかつて、ライバルの大連実徳も存在していた。1993年に大連万達グループ(通称:ワンダグループ)が大連足球団を買収して大連万達に改名したが、2000年に大連実徳グループにクラブを売却したことで大連実徳に改名された。ただ、2012年に大規模な債務超過に陥っていたことから大連一方に吸収合併されて大連実徳は消滅している。
大連一方は昨季2部で優勝し中国スーパーリーグへの昇格を決めた。今季から1部で戦うことになったが、北京国安や江蘇蘇寧に負けず劣らずの補強を続けている。その補強の裏では、ワンダグループの存在が大きく影響しているかもしれない。
中国メディア『新華社通信』によると、ワンダグループが大連一方を引き継ぐことになるという。ワンダグループは中国の大富豪である王健林(ワン・ジエンリン)氏が会長を務める大企業だ。2015年にアトレティコの株式20%を取得し、本拠地のスタジアム命名権も獲得して「ワンダ・メトロポリターノ」に変えている。
大きな影響力を与えていたが、今年2月に所有するアトレティコの株式を一部売却した。中国政府が企業の外国投資を抑制したことが影響している。昨年、王健林会長が「国家の要求に応じて、将来的には国内に焦点を絞ることになる」と発言していた通り、今後は大連一方への投資に集中するかもしれない。
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