ドルトムントのFWミチ・バチュアイがイタリアで人種差別の被害に【写真:Getty Images】
ボルシア・ドルトムントは現地時間22日、ヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦2ndレグでアタランタと対戦し1-1で引き分けた。2戦合計スコアは4-3でドルトムントがベスト16進出を決めている。
アタランタのホームで行われたこの試合では、ファンによる人種差別があったようだ。ターゲットになったのは、この冬ドルトムントに加入したばかりのベルギー代表FWミチ・バチュアイだった。
ピエール=エメリク・オーバメヤン去りし後、すでに新エースの地位を確立しつつあるベルギー代表FWは22日のアタランタ戦後、自身のツイッターを更新し「2018年に、まだ人種差別主義者はスタンドでモンキーノイズを叫んでいるの…マジで!?」と投稿した。
その後、米『ハウラー・マガジン』に携わる編集者のアマディ氏が、ツイッター上で「アタランタのファンが君に対してモンキーノイズを起こしたの?」と質問すると、バチュアイ本人が「イェス(笑)」と答えた。
一連の人種差別疑惑に関し、アタランタのアントニオ・ペルカッシ会長は伊『スカイ・イタリア』の取材に応じて「正直、私は彼らのことは聞いていない。もしそのようなこと(人種差別)が起こったのであれば非常に残念であり、バチュアイには無条件に謝罪したい」と述べた。
アタランタサポーターによる人種差別は今回が初めてではない。2014年には当時ミランに在籍していたDFケビン・コンスタンに対してバナナが投げ込まれた。2016年にはナポリに所属するDFカリドゥ・クリバリに向けて人種差別的チャントが歌われ、のちに罰金と1試合のゴール裏閉鎖処分を受けていた。
バチュアイはチームが勝ち上がりを決めたこともあり、前述のツイートの中で「僕らが勝ち進んでいる間、君たちは残りのELをテレビで楽しく見ていてくれ。人種差別にノーを。黒豹を見てろよ」と、アタランタサポーターに“反撃”している。
過去の例などもあり、アタランタには今後何らかの処分が下る可能性もある。イタリアサッカー界には人種差別が根強く残るとも言われるが、これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりだ。
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