カリアリのハン・グァンソン【写真:Getty Images】
イタリア・セリエAのカリアリに所属する19歳の北朝鮮人FWハン・グァンソンは、今年夏の移籍市場でのユベントス移籍に向けて、北朝鮮政府や金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からも後押しを受けることになるかもしれない。伊紙『コッリエレ・デッロ・スポルト』が伝えている。
ハン・グァンソンは昨年2月にカリアリに加入し、セリエAで初めて出場および得点した北朝鮮人選手となった。昨夏にはセリエB(2部)のペルージャへとレンタルされ、そこでの活躍でさらに評価を高めた。
冬の移籍市場ではイタリア王者ユベントスへの移籍間近に迫っているとも報じられた。結局移籍は実現しなかったがペルージャからカリアリへと戻り、今季後半は再びセリエAでプレーすることに。夏には再びユーベが獲得に動くのではないかと予想されている。
北朝鮮との関わりが強いイタリア上院議員のアントニオ・ラッツィ氏によれば、本国でもハン・グァンソンへの注目度は高く、ユーベへの移籍が期待されているという。「金正恩は大のサッカーファンだ。スイスに留学していた時には、インテルやミランを観るためお忍びでサン・シーロに通っていた」と同氏は語る。
「カリアリもペルージャも、北朝鮮では非常に有名なチームになった。ハンがユーベに行けば、北朝鮮にとって非常に素晴らしい平和大使になるだろう。ハンが加入した場合、北朝鮮政府がユーベを平壌に招待し、11万5000人を収容する5.1競技場(メーデー・スタジアム)で試合をさせたとしても驚くにはあたらない」
ユーベが夏にハン・グァンソンを獲得するとすれば、ボーナスを含めて総額1800万ユーロ(約23億8000万円)の取引となることが見込まれている。その実現に向け、本国からの期待も後押しとなる可能性がありそうだ。
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