2017年は素晴らしい1年だったように思えるが…
一見したところ、2017年は三竿健斗にとって素晴らしい1年であったように思える。21歳の若さで鹿島アントラーズのファーストチョイスとなり、12月のEAFF E-1選手権では日本代表デビューも飾った。
だがそのデビュー戦は残念ながら、韓国に1-4の大敗を喫した試合に、すでに勝負が決まってしまった後半からの途中出場という形だった。クラブでも、アントラーズは終盤戦に失速し、あと一歩でJ1優勝を逃すという苦い結末を迎えてしまった。
最終節の試合を戦い終えたあと三竿は、その時の気持ちを決して忘れることはないと話していた。現在の彼は、その落胆を新たなシーズンの成功への糧とするべく決意を固めている。
「あの試合のことは、みんなすごく悔いが残っています」と三竿は、川崎フロンターレに昨季のタイトルを譲り渡す結果に繋がったジュビロ磐田との0-0のドローについて述べた。「それでも、今年はやってやろうという強い気持ちがあります。それもプレーに表れてくると思います。チームとして本当に集中できています」
「タイトルを獲れば成長できるというのは確かですけど、勝てずに悔いが残った場合にも同じことが言えると思います。今は僕らにとってステップアップのチャンスです」
年齢以上に落ち着いた選手らしい成熟したアプローチである。鹿島の中盤で定期的な出場機会を手に入れるために要した時間について話す時にも同様の姿勢が表れていた。
「期待していたよりも時間がかかったと思います。1年目からプレーするつもりでここに来たので」
2016シーズン開始前に鹿島に加入した三竿だが、柴崎岳や小笠原満男、永木亮太、現在中盤でコンビを組むレオ・シルバなど質の高い選手たちが先発の座を争う中、我慢が必要になるのも当然だったと言えるだろう。