まったりしている小平の雰囲気
いちアタッカーにとどまらず、FC東京を象徴するプレーヤーへと成長を遂げてきた石川直宏。彼の愛する東京ももはや青臭い後発クラブではなく、ビッグクラブへの進化を期待される存在になりつつある。
その期待に応えるためにも、プロ生活14年目を迎える石川は自身にさらなる変化を課すつもりのようだ。若いカモシカのようにただ跳びはねることに懸命だった東京移籍から、藤山竜仁や浅利悟のあとを担う重鎮としての責務を自覚するに到った近年、リーグ優勝を狙う今季に到るまでを、積年の思いを込めて語った。
──悠平会というものを開いているようですね。マッチデープログラムの人気投票で最下位になった徳永悠平が焼肉を10人ぶんおごったことから始まったのだとか?
「やってますね(笑)。今日も行くんですよ。みんな取材が入っているんですけど悠平はないから、先に行って呑んでますって(笑)。今日は東(慶悟)の歓迎会を兼ねて、みたいな感じなんですけれど」
──なるほど。ちょうどいい距離感の集まりになってきたんですね。
「はい。それこそ以前は今ちゃん(今野泰幸)やヤザー(谷澤達也)も来ていましたし。いまで言えば(平山)相太、吉本(一謙)とか、ヨネ(米本拓司)もそうですね。悠平だけじゃなく梶山陽平も後輩を連れていって面倒を見ていたし。ぼくやシオ(塩田仁史)がいるとみんなが気を遣っちゃうんで(笑)、ぼくらはバランスをとってたまーに、という感じですね」
──そういう仲のよさは、FC東京の特徴なのかなと思うんですが。
「そうですね。ぼくは2002年に入った当初から感じていましたけど、たぶんそれ以前からいい意味で続いていることだと思います」