AFCU-23選手権で大活躍。スピードとテクニックが最大の武器に
今年1月初めから中旬にかけて中国で開催されたAFC U-23選手権2018は、ウズベキスタンの初優勝で幕を閉じた。グループリーグを2位通過したウズベキスタンは、準々決勝で前回王者日本を4-0、準決勝で韓国を延長戦の末4-1で下し、尻上がりに調子を上げて決勝に駒を進めた。
タイトルをかけた一戦の相手は同じくグループリーグ2位通過のベトナム。準々決勝でイラク、準決勝でカタールをそれぞれPK戦の末に下して奇跡的に勝ち上がってきた東南アジアのダークホースだ。大雪の中で行われた決勝で、若きゴールデンスター(ベトナム代表の愛称)は120分間の死闘を戦い抜き、ラスト1分で力尽きたものの、国民を大満足させる1-2の接戦を演じた。これまで東南アジアの大会でもなかなか結果が残せなかったベトナムにとって、AFCの主催大会で準優勝は快挙だ。
国民9000万人が熱狂した約3週間、数々の劇的なゴールを決めて最も大きな歓声を浴びたであろう選手がいる。グエン・クアン・ハイ、弱冠20歳だが、その佇まいは既に風格すら漂わせる。
グエン・クアン・ハイは、首都ハノイ市郊外ドンアイン郡出身。9歳のとき、親もとを離れて地元の名門ハノイT&T(現ハノイFC)の下部組織に入団すると、小柄ながら自慢の左足のテクニックとスピードを武器にメキメキと頭角をあらわし、アンダー世代の国内選手権で大活躍を見せた。
16歳のとき、2013年のU-21ベトナム選手権に飛び級で出場してチームの優勝に貢献。翌年のU-17ベトナム選手権とU-19ベトナム選手権ではMVPに輝くなど“若き王”の称号をほしいままにした。2015年には、レンタル先の2部・FCハノイ(現サイゴンFC)でプロデビュー。ここでもシーズン4ゴールの活躍で優勝に貢献して、翌年ハノイT&Tに復帰した。