波紋を呼んだ監督交代。社長が明かす理由
北海道コンサドーレ札幌は今季、ミハイロ・ペトロヴィッチ新監督とともにシーズンを戦う。昨季、多くの専門家がJ1からの降格を予想するなか、11位という好成績をおさめた札幌。大きな貢献を果たしたのが四方田修平監督だったが、その四方田監督を続投させなかった決断は波紋を呼んだ。
ペトロヴィッチ(以下、ミシャ)は、Jリーグではサンフレッチェ広島と浦和レッズの監督を務め、実績は十分。「ミシャ式」とも言われる独自のスタイルを構築し、信奉する選手たちも多い。だが、ミシャは広島時代には降格も経験している。戦力がアップしているとはいえ、今季も残留が現実的な目標となる札幌にとって、監督交代が吉と出る保証はない。
なぜ札幌はミシャを招聘したのか。決断を下した野々村芳和社長は3つの理由を明かす。
1つ目は攻撃サッカーの導入だ。毎年「残留」が目標であればミシャのような大物監督を呼ぶ必要はない。さらに上位を狙っていくために「攻撃的なマインドはクラブとしてどこかで身につけなくてはいけない」と野々村は語る。
四方田はJ2時代からしっかりとした守備を構築し、それをベースにJ1でも守備に重きを置いたサッカーで戦った。だが、それだけでは戦力的に上回るチームに勝つことは難しい。また、今後ボールを持たされる展開になった時にどう崩していくかも課題ではあった。
「現状のパワーで頑張る、それはもちろん大事。だけど、上手くなりたい、もっといいサッカーがしたいと思うのはサッカー選手として当然のこと。ミシャはそのために必要な監督だったと思っている。彼のいたサンフレッチェとレッズは劇的に変わった」(野々村)