首位バルサが沈黙。相手は「リーグ3位」
リオネル・メッシもヘタフェの守備に苦しめられゴールを奪えず【写真:Getty Images】
バルセロナが、今季のリーグ戦で初めて無得点に終わった。
現地時間11日、リーガ・エスパニョーラ第24節が行われ、首位バルセロナは日本代表MF柴崎岳を擁するのヘタフェをホームに迎えた。決して内容が悪かったわけではないにもかかわらず、なぜゴールを奪えなかったのだろうか。
今季60得点と圧倒的な攻撃力を誇るバルセロナは、FWリオネル・メッシ、FWルイス・スアレスらチームの得点源である選手に加え、MFイヴァン・ラキティッチやMFセルヒオ・ブスケッツら主力が当然のように先発メンバーに名を連ねる。主将のMFアンドレス・イニエスタが務めることの多かった左サイドには新加入のMFフィリッペ・コウチーニョが起用され、攻撃陣には豪華なメンバーが揃った。
前半開始早々、4-4-2の2トップを中心に前線からのプレスを仕掛けてきたヘタフェに対し、バルセロナは慌てることなく対処した。DFに離脱者が相次ぐバルセロナはトーマス・ヴェルメーレンが負傷により、サミュエル・ウンティティが出場停止により欠場。先週末のエスパニュール戦で膝を痛めたジェラール・ピケも万全ではなくベンチスタートとなる。
そのため急遽新加入のDFジェリー・ミナと本来サイドバックのDFリュカ・ディーニュがセンターバックでコンビを組むことになったものの、相手の激しいプレスに動じることなく、前線へボールを供給できていた。
前線からのプレスがハマらなくなれば、当然ヘタフェも守備の開始位置を下げざるを得なくなる。開始から5分が経過したころには、ヘタフェは前線で圧力をかけることを断念し、ミドルゾーンでのプレスに切り替える。
一方、それに応じてバルセロナもビルドアップの形を変える。急造センターバックコンビの間にブスケッツが入り、ラキティッチがそのサポートに入ることで「3+1」の形を作り、相手の2トップに対して数的優位を確保したうえで前線の選手へとパスを供給していく。
ボール循環を円滑にしたうえで何度か相手ゴールに襲いかかることで「悪くない」イメージを見せていたバルセロナだが、なかなか決定的なチャンスを作ることはできなかった。一体なぜだろうか。
それは、この日ヘタフェが採用した戦い方にヒントを見出すことができるかもしれない。アトレティコ・マドリー、バルセロナに次いで3番目に少ない今季21失点と優秀な成績を残しているヘタフェの守備陣が踏ん張った。