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仙台退団の野沢拓也、豪州2部移籍へ。田代有三所属のウーロンゴン加入間近と関係者明かす

text by 植松久隆 photo by Getty Images, Taka Uematsu

野沢拓也
ベガルタ仙台を退団したMF野沢拓也がオーストラリア移籍濃厚に【写真:Getty Images】

 8日、昨季限りでベガルタ仙台を退団したMF野沢拓也(36)のオーストラリア移籍が濃厚であることが分かった。

 同選手はナショナル・プレミアリーグ・ニューサウスウェールズ1部(豪州2部相当)ウーロンゴン・ウルヴズに加入する見込みであることが、クラブに近い関係者への取材で判明した。同クラブには鹿島アントラーズとヴィッセル神戸で共にプレーした元日本代表FW田代有三も在籍している。

 8日現地時間午後8時(日本時間午後6時)の段階で、既に地元紙『イラワラ・マーキュリー』の電子版が「野沢、契約間近」を速報として伝えていた。その報道に前後して、現地のクラブにごく近い関係者に情報を確認したところ、ウルブズが第2の日本人獲得間近であるのはほぼ間違いない。

 今思えば、かなり思わせぶりだった。今月2日に行ったウーロンゴンでの現地取材で、話を聞いたクラブ関係者の一人は「近いうちに驚くようなニュースを知らせられる」と言って笑みを浮かべていた。1週間ほど経って、飛び込んできたニュースは予想の斜め上をいくものだった。

 豪州2部相当のナショナル・プレミアリーグ(NPL NSW1)に、日本人のJリーグ経験者が同時に、しかも同じクラブでプレーするのは前代未聞。昨季、初年度ながら大車輪の活躍を見せた田代の得点力を最大限に生かし、混戦が予想される今季のリーグ戦で結果を出すにはエースストライカーへの安定したボールの供給源が必要と、肝胆相照らす仲の野沢に白羽の矢が立ったのだろうか。

 野沢の契約が決まれば、今季のウルブズは2人でJ1リーグ戦559試合出場118得点という輝かしい記録を誇るベテラン日本人コンビによる「ジャパニーズ・コネクション」に、2つしかないビザ枠(外国人枠)の全てを託すことになる。この思い切った補強は、今季リーグ戦で結果を残して、最速で2019/20シーズンに実現するエクスパンション(リーグ拡大)でのAリーグ参戦への本気の表れだ。

 既に野沢は豪州入りしており、10日に遠征先のブリスベンで行われる元浦和レッズのラファエル・シルバ擁する武漢卓爾(中国2部)とのトレーニングマッチ(一般には非公開)で電撃デビューの可能性もあると聞く。関係者によれば、契約完了後、速やかに公式発表が行われるとのことだが、今は首を長くしてその知らせを待ちたい。

(取材・文:植松久隆【オーストラリア】)

ウーロンゴン
ウーロンゴン・ウルヴズは近い将来のAリーグ参入を狙って日本人選手2人との契約に踏み切る【写真:Taka Uematsu】

ウーロンゴン
抜群のロケーションを誇るウーロンゴン・ウルヴズの本拠地WINスタジアム【写真:Taka Uematsu】

【了】

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