史上最高額の移籍金を記録したFWネイマール【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)が、各クラブがオンラインで情報を共有するシステム「インタナショナル・トランスファー・マッチング・システム(ITMS)」をもとに、2017年の移籍市場を総括した。
昨夏、ブラジル代表FWネイマールが2億2200万ユーロ(約290億円)という巨額の移籍金でパリ・サンジェルマンへ移籍したことを筆頭に、これまでにない様相を呈した2017年の移籍市場だが、FIFAがまとめた「グローバル・トランスファーマーケット・リポート」にはその様子が数字として如実に表されている。
世界211ヶ国のサッカー協会、7000を超えるプロサッカークラブを対象に実施されたこの調査では、移籍金や移籍件数における前年との大きな差が示されている。2017年、全世界で発生した移籍金の総額は史上最高の63億7000万ドル(約6930億円)で、これは前年比32.7%増の数字となっている。また、全世界で記録された選手の移籍件数は、前年よりも6.8%多い1万5624件となった。
ネイマールのPSGへの移籍や、フランス代表FWウスマン・デンベレが1億5000万ユーロ(約195億円)もの大金でバルセロナへと加入したことからもわかるように、2017年の移籍市場は、財力のある少数のクラブによって大きく動かされた。同レポートも、「全体の支出において最も増加したのは、少数のトップレベルのクラブによるものだ」と明かしており、移籍金総額63億7000万ドルのうちの約3分の2(67.4%)がたった50のチームによって費やされたようだ。
一方同レポートでは、国際移籍が世界の様々な地域で行われるようになってきたことも報告されており、「急成長」を遂げた国として、日本、チェコ、ハンガリーの名前を挙げている。
2017年だけで大きな変化を経た移籍市場だが、移籍金の高騰をはじめ今後はどのような経過をたどっていくのだろうか。
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