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不当なネイマール報道への違和感。根源にはフランスメディアの自虐観? 憶測が招く悪循環

レアル・マドリーへ移籍するのではないかという噂がまことしやかにささやかれているパリ・サンジェルマンのFWネイマール。PKキッカーをめぐって同僚FWのカバーニと不仲になったという話題が取りざたされて以降、フランスメディアではネガティブな報道が目立っている。ブラジル代表FWのスーパースターはなぜこのような扱いを受けてしまっているのだろうか。(取材・文:小川由紀子【パリ】)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

活躍に反して…“アンチな”報道が先行

パリ・サンジェルマンのFWネイマール。フランス移籍後はネガティブな報道が目立っている
パリ・サンジェルマンのFWネイマール。フランス移籍後はネガティブな報道が目立っている【写真:Getty Images】

 冬のメルカートも佳境に入った昨今、今季パリ・サンジェルマンに入団したばかりのネイマールについて、レアル・マドリー行きの可能性がさかんに報じられている。

 さすがにこの冬は動かないだろうから、より可能性があるのはこの夏だろうが、27日に行われた23節のモンペリエ戦のあと、ナセール・アル・ケライフィ会長が久々にミックスゾーンに姿を現して、なかば失笑気味、といった表情で噂を否定した。

「この話を聞くと思わず笑ってしまう。なぜなら完全な捏造ニュースだからね。ネイマールはここでとても満足しているし、彼の契約は5年間。まだ4年半も残っているんだよ。それよりいまは、2月14日のレアル・マドリー戦という重要な一戦にそなえる必要がある」

 契約があと何年うんぬんは、あってないような話なので、移籍しない、という確約にはならないし、リーグ1ではあまりに大勝ばかりで、勝負魂が燃えないんじゃないか? とも感じるから、PSGが最大目標とするチャンピオンズリーグ優勝を達成でもすれば、ありえなくもないのかな、と思う。

 よって会長の発言が完全な火消しになったとは思えないが、ネイマールがフランスに来てからというもの、ネガティブな報道が多いのは気になるところだ。

 メッシやロナウドと並ぶ世界トッププレーヤーの一角であるネイマールは、リーグ1を大いに盛り上げてくれる存在であるはずだった。それなのに、シーズンが始まって間もない9月の第6節、リヨン戦で、エディンソン・カバーニとPKを奪いあった件を発端に『カバーニとの確執説』が浮上して以来、彼の活躍に見合わないアンチな報道ばかりだ。

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