ローマが主導権握った中盤での攻防
納得できる勝ち点1なのか、それとも勝ち点2を失ったことが悔やまれるのか。インテルとローマそれぞれの陣営にとって、受け止めかたの難しいドローとなってしまった。
勝てた試合を逃したという思いは、ローマのほうが強かっただろう。「70分間の試合運びは良かった」。試合終了後、エウセビオ・ディ・フランチェスコ監督はそう試合を総括したが、インテルを研究し勝利へのプランを着実に実行していたのは彼らのほうだった。
実は故障者が続出し、普段通りの4-3-3のメンバーが組めなかったローマだったが、ディ・フランチェスコ監督はそれを逆手に取ってインテル封じの戦術を実行した。普段はインサイドMFでプレイするラジャ・ナインゴランを1列前に上げるとともに、中へと絞らせてインテルの中盤にプレスを掛けさせたのだ。
狙い撃ちにしたのは、中盤の底で攻守の切り替え役となるロベルト・ガリアルディーニである。この日ルチャーノ・スパレッティ監督は、MF陣をローマの中盤とかみ合わせようと思ったのか、中盤をトップ下+ボランチ2枚ではなく、アンカーを置いた逆三角形の形にした。そしてアンカーにガリアルディーニをあてがった訳だが、これがローマにとっては絶好の的となった。
ガリアルディーニがボールを持てば、一気にプレスが掛かる。ナインゴランが詰めている間に他の前線の選手も詰めにかかり、高い位置でボールを奪う。そして両サイドバックを高い位置に上げ、ピッチの幅を広く使ってインテルを攻めた。