スペイン・サッカー界が止まった、巨匠の死
週末は、56週間スペインリーグのトップを走り続けてきたFCバルセロナが首位から陥落。その好機を生かせずに、レアル・マドリーは新サン・マメスでドロー。唯一、大差でレアル・ソシエダを4-0と下して、白星をあげたアトレティコ・マドリーがとうとう、首位の座を手に入れた。
アトレティコ・マドリーが単独首位に立ったのは、1996年以来、まさに18年ぶりのことだ。そうかと思うと、週中にはあっという間に国王杯の準決勝がやってくる。サッカーには、一瞬でも止まってゆっくり過去のミスを振り返っている暇はない。
既に起きたことは起きたことと消化し、それでも前に進んでいくしか道はない。リーグ戦もカップ戦も、これが終われば、また間近に迫ってくるチャンピオンズリーグも、悠長に待ってくれたり、同情から日程を変えてくれたりはしないのだ。
それでもつい、歩みを止めてしまうニュースもある。ルイス・アラゴネスが75才で逝去したのは、サッカー界にとってはバルサの首位陥落以上のニュースだった。バルサの首位は一ヵ月もたてば、状況が変わっているかもしれない(もちろん、変わっていないかもしれない)が、ルイス・アラゴネスがもう帰って来ないのは、紛れもない変えようのない事実なのだ。
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