ストーク戦、本当に不運だったか
「We were extremely unlucky(我々は極めて不運だった)」
「extremely」という言葉は「もうこれ以上はない」というニュアンスが含まれている。
モイーズ監督は、ストーク戦直後のTVインタビューで敗戦理由をそう語った。
確かに前半11分にCBのエバンス、同45分にもうひとりのCBジョーンズと、ディフェンスの要2人が揃って計算外の負傷退場。また、先制点は相手MFアダムスの直接FKだったが、ゴール前でキャリックがこのボールをひざに当て、コースを大きく変えたことで決まってしまった。
さらに、モイーズ監督は、アダムスの2点目は「お手上げのワールドクラス」と発言。リバプールを追われたスコットランド代表にしてはやり過ぎのゴールと示唆。ついでに言えば、この日のストークにはものすごい強風が吹き付け、コンディションも悪かった。
しかし、疑惑のPKもなく、退場者も出さずに11人で90分を戦った試合。「extremely」という言葉を使うほどの不運はなかったのではないか。
僕は逆に、後半、2点目を奪った後も決定機を作り続けたストークが、3点目を奪えなかったのは不運だと思った。
とくに後半17分、ストークMFアルナウトビッチが放ったシュートは限りなく3点目に近かった。
スタッツを見ると、ポゼッションはマンチェスター・ユナイテッドの62%だが、枠内に飛んだフィニッシュはストークの6対4。決定機の質で格下ストークが上回ったと言えるだろう。
今季、早くもリーグ8敗目を喫した直後、モイーズ監督の様子はまさにぼろぼろという感じだった。
「どうやって勝てばいいのか分からない」
極めつけの不運を嘆いた後、50歳のスコットランド人監督はさらにそう嘆いた。けれども僕には、この結果はモイーズ監督自身が招いたものとしか思えない。