日本代表へ初めて招集されてからまもなく3年
7人に対して4人――何を表す数字かと言えば、中国代表とのEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会第2戦に先発した、日本代表メンバーにおけるユニフォームの長袖派と半袖派の人数だ。
キックオフを迎えた12日19時19分、味の素スタジアムの気温はわずか7度と冷え込んでいた。FW倉田秋(ガンバ大阪)、A代表デビュー戦のMF土居聖真、キャプテンのDF昌子源(ともに鹿島アントラーズ)の半袖派も、ユニフォームの下に青色のインナーを着込んでいる。
そのなかでただ一人、冷たい空気に素肌をさらしながらピッチに立ったのがDF植田直通(アントラーズ)だった。試合後の取材エリアで直撃してみた。寒くなかったのか、と。
「鹿島でも半袖しか着ていないので。僕はいつも半袖だと、みんなもうわかっているんですよ」
熊本県の強豪・大津高校から加入して、5シーズンを終えたアントラーズでも。昨夏のリオデジャネイロ五輪を含めた年代別の日本代表の戦いでも。極寒の状況下で行われた試合で常に半袖を着用してきた理由を、植田は苦笑いしながら説明してくれた。
「きっかけは別にないですね。試合のときは、あまり長袖が好きじゃないので。実際に始まれば、すぐに暑くなりますから」
もっとも、中国戦ではキックオフの前から、胸の高鳴りに導かれるかたちで、すでにヒートアップしていたかもしれない。ハビエル・アギーレ前監督時代に、日本代表へ初めて招集されてからまもなく3年。待って、待って、待ち焦がれたデビュー戦がついに訪れたからだ。
「チャンスが来たので、自分にできることを思い切りやろうという気持ちではいました。でも、まだまだというか、自分でも納得していない部分もあるし、それを次につなげていきたい」