イタリアダービーでキャプテンマーク
主将のサネッティはベンチスタート、ゲームキャプテンを務めていたカンビアッソが肉離れで戦線離脱、ミリートも外れたと来れば、キャプテンマークを巻くのはあの男しかいなかったわけである。
長友佑都、イタリアダービーでキャプテンとして先発出場。入場で列の先頭に立ち、こちらもブッフォンの出場停止でキャプテンマークを巻いたキエッリーニとのコイントスに応じた。
ミラノダービーで途中からキャプテンマークを巻いていたが、今度はキャプテンとしての『儀式』を、イタリアで一番注目される試合でやったわけだ。「雑草魂(本人談)」の成功物語もついにここまで来たか思うと、取材席からでも妙な感慨を覚えた。
これまでのセリエA、日本代表での闘い振りを通し、またFC東京時代、明大あるいはそれより前の時代から長友に注目されていたファンの方々の感動は、それこそ大きかったことだろう。
ただチーム状態に相当の差があり、「史上最大の勝ち点差で迎えた」といわれるイタリアダービーは、ほぼ一方的な試合結果に。キャプテンの長友も、キャプテンマークを巻いてハッスルするどころか、逆に軽率なプレーで失点に絡むなど、散々な出来となってしまった。
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