最後まで貫き通したゴールへの執念。ついに実った初得点
シュート数15対4と中国を圧倒しながら、ゴールをこじ開けられずに苦しんでいた12日のEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会(E-1)の第2戦・中国戦(東京・味の素)。その停滞を打破したのが、後半39分の先制弾だった。
倉田秋(G大阪)のタテパスにペナルティエリア内で反応した小林悠(川崎F)がフリックし、ボールを受けた川又堅碁(磐田)がシュート。これが相手にブロックされ、ルーズボールを拾った背番号11は右足を振り抜こうとするもGK正面へ。それでも諦めずこぼれ球に食らいつき、反転しながら左足を一閃。ゴールへの執念が実った泥臭い1点がついに決まった。
「最初は堅碁とワンツーしようと思ったけど、堅碁がシュートを打って、こぼれてきたのを1本目が相手のGKに当たって、こぼれて、その後、うまく流し込めたのかなと思います。反転シュートはもう感覚ですね。自分の位置とボールの位置とゴールの位置の感覚で打ちました」と本人は冷静に振り返ったが、2014年10月のジャマイカ戦(新潟)の初キャップから3年2ヶ月がかりの代表初ゴールは感無量だったに違いない。
拓殖大学から川崎フロンターレ入りして2年目の2011年にはいち早くレギュラーを勝ち取り、シーズン12得点をマークするなど、小林の傑出した得点感覚は日に日に評価が高まっていた。が、日本代表では右サイドで起用されることが多く、ゴールを奪うどころか、定着さえもままならなかった。
ハビエル・アギーレ監督時代はネイマール(PSG)に4得点を奪われた2014年10月のブラジル戦(シンガポール)に先発しただけで、フル出場は皆無。2015年アジアカップ(オーストラリア)も帯同しながら出番なしに終わった。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制発足後も断続的に招集されたが、スタメン起用されたのは、2016年6月のブルガリア戦(豊田)と同10月の2018年ロシアW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(メルボルン)の2試合だけ。
オーストラリア戦では本田圭佑(パチューカ)、原口元気(ヘルタ)と3トップを形成し、守備面で奮闘するなど彼らしい献身性を遺憾なく発揮していたが、その後に台頭した久保裕也(ヘント)や浅野拓磨(シュツットガルト)によって、ポジションを追われる形になっていた。