大一番は両チームとも勝利逃し不満
スコアレスドローに終わったユベントスとインテル【写真:Getty Images】
「そこそこ良い試合はできて、チャンスも相手より作った。それだけに勝てなかったのが残念だ。僕たちの方が上だ、という感触があったものだから、ロッカールームでみんな悔しさをあらわにしていた」
イタリアダービーの試合後、ミックスゾーンでユベントスのミラレム・ピャニッチが悔しさを吐露する。その一方でインテルのミランダも、インテル専属の「インテルTV」にこう話していた。
「僕たちが望んでいたのは勝利であって、ドローではない。腹が立ってるよ」
2週連続で首位チームに当たったユベントスと、あわよくばアウェーで勝ち点5差をつけようとしたインテル。双方の選手たちは、スコアレスドローという結果にそれぞれ満足していなかった。ユーベは6回作った決定機をものにできず、一方で彼らを堅守で抑えたインテルも攻撃ではたった3本のシュートに終わった。それぞれ、消化不良に終わった原因はどこにあったのか。
まずユーベだが、疲労の蓄積していた彼らは攻撃面でベストの布陣が組めなかった。前節はナポリと対戦し、ミッドウィークにはCLでオリンピアコスを倒さなければならなかったという厳しい日程の中で、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は大胆なターンオーバーを敷いた。前2試合で好調だったドウグラス・コスタを休ませ、さらには10番のパウロ・ディバラまでも、この大一番でベンチスタートにしていた。
そしてこの試合ではシステムを大幅に変えた。守備の際にはウイングが引いて4-1-4-1となり、サイドを固める4-3-3だ。しかしディバラを取った分、ゴンサロ・イグアインは前線で孤立。インサイドMFとして起用されたサミ・ケディラやブレーズ・マテュイディが絡もうとするが、堅いインテルの中央の守備の前に、攻撃は跳ね返された。
一方でインテルは、今まで築き上げた4-2-3-1システムを踏襲し、直近2試合で好調だったマルセロ・ブロゾビッチを先発起用して縦に早いパスワークによる応戦を図った。しかし彼らはもまた、そのメリットを最大限に活かして相手を攻略することができなかった。
試合開始からしばらくは、ユベントスの中央の3人がインテルの中盤にかみ合わず、トップ下のブロゾビッチが頻繁にフリーになる。しかし、そこに通るパスは少ない。縦パスを出そうとする選手には厳しいプレスが掛かり、サイドから仕掛けようとしても、左のイバン・ペリシッチと右のアントニオ・カンドレーバは常に相手に挟まれて攻撃のスピードが上げられない。ボールはキープしても、ゴール前の攻撃に繋げられなくなったのだ。