無駄にはしたくないレアルとの「消化試合」
“勝ち点3”をもぎ取れるか。12月6日に行われたチャンピオンズリーグのグループH最終戦、対レアル・マドリード戦。前半が始まって間もなく失点を重ねたボルシア・ドルトムントは、0-2のスコアから一度は同点に追い付きながらも、終盤に掛けて押し寄せてくる敵の攻撃を防ぎ切ることはできなかった。
81分、ルーカス・バスケスの一撃に屈した。
依然として勝利は掴めなかったが、そもそもレアル戦は“消化試合”。ヨーロッパリーグの決勝ラウンドに回ることができるか、関わっていた問題はそれぐらいで、結果としての勝ち負けはあまり意味をなさなかった。
もっとも、ドルトムントの選手たちに、サンチャゴ・ベルナベウで無難に試合を消化して帰って来ようという姿勢はなかった。低迷を抜け出すための何かをつかもうと、序盤に2点のリードを許してなお、果敢に攻撃的精神を発揮する。
43分にはマルセル・シュメルツァーの力強いクロスから、48分には香川真司の鮮やかなヒールパスから、ピエール=エメリク・オーバメヤンが2ゴール。いつもの得点感覚を取り戻したエースFWの活躍で、一時は同点に追い付いた。
こうしたチームの“メンタリティ”について、ヌリ・シャヒンは次のように言及。
「そんなにも早く2失点を喫してしまったら、ひどい結果で終わることもあり得る。だけど僕たちは自分たちを、なおも信じていた。今、このことは次の試合でも僕たちを助けてくれるだろう」
元トルコ代表MFによれば、ボルハ・マジョラルとクリスティアーノ・ロナウドの連続ゴールにも心折れることなく、試合を振り出しに戻したことは、BVBの選手たちにとって少なからず自信になったようだ。
もっとも、シャヒンの言葉は、追い込まれた苦境の淵ですがることのできる何かを、必死で探しているようでもある。決して調子が良かったとは言えないレアルからの2ゴールが、本当の意味での自信につながったのか。その答えは、「次の試合」=ブンデスリーガ第15節、対ベルダー・ブレーメン戦ではっきりしそうだ。