離脱者相次ぐ日本代表。指揮官が信頼を寄せる若手が1人
12月9日のEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会(E-1)初戦・北朝鮮戦(東京・味の素)がいよいよ目前に迫ってきた。4日から東京都内で事前合宿を行ってきた日本代表だが、左肋骨骨折と左足首痛を訴えて離脱した杉本健勇(C大阪)に続き、6日の練習中に頭部を強打した清武弘嗣(C大阪)も7日に正式に離脱することが発表された。
代わって土居聖真(鹿島)が追加招集されたが、A代表経験はゼロ。若くフレッシュなメンバーがまた1人増えただけに、誰がチームを統率していくかは大会を乗り切るうえでの非常に重要なテーマになってくる。
その仕事をやるべき選手の1人が、今や日本代表の主力として完全に定着している井手口陽介(G大阪)だろう。年齢こそ21歳と若いが、2017年の国際Aマッチは6月のシリア戦(東京・味の素)から8試合連続で出場している。
2018年ロシアW杯出場権獲得を決めた8月のオーストラリア戦(埼玉)でも左インサイドハーフとして凄まじい輝きを放ち、勝利を引き寄せる2点目もマークした。その一挙手一投足はフランス代表のエンゴロ・カンテ(チェルシー)を彷彿させものがあった。今回メンバー入りした同い年の三竿健斗(鹿島)も「(陽介は)すごい監督から信頼されているなと思った」としみじみ語っていて、「ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の申し子」と言っていい存在になっているのは間違いない。
井手口本人は「自分がチームの中心? それはいいです」と苦笑いしているが、プレーで引っ張りたいという気持ちは強い。とりわけ、初戦の相手・北朝鮮は屈強なフィジカルを武器とするチームで、中盤でのデュエルの戦いが勝負を分ける生命線となる。4年前の韓国大会優勝メンバーの1人である高萩洋次郎(FC東京)も「相手は日本相手にモチベーション高くくるし、守備のところでは体でぶつかってきて自由にプレーさせないという狙いでくる」と体当たりを辞さない相手の出方を警戒していた。