シーズン終盤に癒えた足の痛み。リーグ戦全試合でスタメン出場
追加招集ながら、川又堅碁は日本代表の一員に復帰した。今シーズン6位と健闘したジュビロ磐田にあって、新加入FWは質の高いパフォーマンスを年間通して発揮してきた。
夏場以降は両足のアキレス腱付近の痛みがなかなか取れなかった。それでも、チームの主軸として何とか踏ん張り、最終的には自身初となるリーグ戦全試合スタメン出場を達成した。激痛により特徴である動き出しのスピードが鈍った時期もあった。
名波浩監督は練習から背番号20を注意深く観察し、先発から外そうと考えた時もあった。10月のある日には、「川又がダメだったら、アダ(アダイウトン)を前で使うと思う」と明かしたこともある。だが、最後まで起用し続けた。週の始めの練習を別メニューで調整させるなど、コンディション調整に気を配る指揮官は、こんな思いを持っていた。
「プロキャリアの中で、1シーズン通してやり切るというのがどれだけ大きなことか。ちょっと大げさかもしれないけど、小学校1年生から6年生まで皆勤で、病欠もなしに全部出てくる子がいるじゃん。最後に表彰される子。プロアスリートが1年間やることはそれくらい大きな価値があると思うし、それをアイツはまだできていないから」
11月に日本代表がヨーロッパ遠征を行ったため、明治安田生命J1リーグは中断期間に入った。この期間で足の具合も良くなっていったという。そして、鹿島アントラーズとの最終節を万全の状態で迎えられた。だが、川又には心残りがあった。
「足が痛い期間が長すぎたし、ギリギリの中でも試合で使ってもらって。なおかつチームメイトに迷惑をかけた部分もあった」
指揮官とチームメイトの信頼に応えてきた自負はあるはずだ。だが、本調子で戦えなかったことに歯がゆさを感じるところに、彼の強い責任感が表れている。