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昔は賞賛されていた国見高校の指導方法だったが…
――選手に考えさせるボトムアップ的なやり方は、今までやっていない人たちが突然取り入れようとしても難しいことが多いと聞きます。
加部 いきなりやるのは難しいですね。
――指導者の養成も必要ですよね。
幸野 もちろんそうですね。実際、ついこの間まで暴力を振るっていた人たちがいますが、「今までのやり方を反省して、これからは変える」と言ってくれれば良いと思います。でも、過去のことを隠す人が少なくない。
加部 重要なポイントですよね。野球だと桑田真澄氏が体罰を受けていたことを打ち明け、警鐘を鳴らしていましたが、サッカー界では、こうした声を上げる選手がいない。
幸野 結局、自分の恩師を貶めることになってしまうからですよね。それでも誰か勇気のある選手が出てくるかと期待していましたが、やっぱり現実は難しいんだなと思いました。でも、どこかでこの連鎖を断ち切らなきゃいけないと思いますし、今こそそのタイミングだと思います。
加部 今は過渡期ですよね。例えば昔の国見高校の指導だって、以前は結果が出ているという理由で賞賛されていたのに、桜宮高校の件があってからは、あれは体罰だったよね、と評価が逆転する。急にそんな風に言われても、旧来のやり方でやってきていた人たちは、これからどうしていいか困りますよね。