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本田圭佑 11年前

ミラン本田、今後の活躍を左右するカルチョの国の壁。外国人選手が苦しむ強固な守備組織に対応できるか?

1-1の引き分けに終わったトリノ戦。ミランの本田圭佑は終了間際までプレーしていたが、見せ場をつくれずに終わった。本田を苦しめたのが、守備の国・イタリアのタイトな守備。今後活躍するためにどう対応すべきなのか?

text by 神尾光臣 photo by Ryota Harada

守備を固めてきたトリノ

 1-1で迎えた後半の44分、逆転のゴールを狙いたかったミランのセードルフ監督は、若手のFWペターニャを投入した。交代を告げられたのは、10番。本田が下がると、スタンドからはまばらな拍手と、これまたまばらな指笛が聞かれた。

 確かに強烈なブーイングにさらされてはいなかったが、ファンの目には納得のパフォーマンスというふうにも映らなかった、ということだろう。

 カリアリ戦では3つの決定機は外したが、逆に言うとそれは、ゴール前でボールに触りチャンスに絡めたということの証でもある。しかし今回は、同じ4-2-3-1の右サイドでの先発でありながら、本田は前節のようには上手くポジションを取れず、パスを呼び込めなかった。

 現在6位にいるトリノは、カリアリよりもさらに精密で堅い組織守備を準備し、ミラン側の動きを封じてきた。そして本田も、その網の中でスペースを奪われた。そこにきて合流間もないことからくる連係の不足、そしてイタリアサッカーへの対応が響き、展開から外れてしまってしまった印象だ。

 今季のトリノは3バックを敷く。ベントゥーラ監督は、イタリアでは珍しく攻撃的な監督として名声を確立していた。4トップをワイドに張らせた上で、DFラインにビルドアップをさせ敵陣を押し拡げる。かつてバーリ時代、彼のもとで鍛えられたボヌッチは、現在ユベントスでピルロとともに組み立ての軸を担っている。

 しかし今季は、より上を狙うべく守備を強化した。前線にはチェルチというスピードスターがいるので、彼のスピードを活かしたカウンター志向へと変更し、あえて4トップを削って守備の枚数を増やす。これが当たったのは、6位という順位を見れば一目瞭然である。

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