川崎フロンターレの守備を最後尾から支えた守護神チョン・ソンリョン【写真:Getty Images】
明治安田生命J1リーグ最終節が2日に行われ、川崎フロンターレが最後の最後で鹿島アントラーズから首位を奪い取り、悲願の初優勝を成し遂げた。
昨年から川崎Fの正GKを務めるチョン・ソンリョンにとっても、日本での初タイトルとなった。母国・韓国では浦項スティーラーズ時代にKリーグ制覇、城南一和時代にAFCチャンピオンズリーグ優勝を経験している経験豊富な守護神にとっても、意義深いタイトルになったようだ。
「本当にみんな、試合に出る人も試合に出られない人も、監督もコーチングスタッフも、みんな本当に優勝したい、1位になりたいと思ってきた。最後はこうやって優勝できて本当に嬉しいことです」と、チョン・ソンリョンは語る。
10月21日のJ1第30節のサンフレッチェ広島戦で右太ももを痛めて前半途中で新井章太と交代。同25日の天皇杯・準々決勝の柏レイソル戦、同20日のJ1第31節の柏レイソル戦も欠場し、その後も万全でないままタイトル獲得を目指してプレーを続けていた。
そして迎えた先月29日のJ1第33節、浦和レッズとの試合ではパントキックやゴールキックを利き足でない左足で蹴り、終盤にはゴールキックをDFの谷口彰悟に任せるほど、再び右太ももの痛みが出ていたという。
それでもタイトルのかかった2日の大宮アルディージャ戦に強行出場。好セーブをいくつも披露して川崎Fの優勝をぐっと引き寄せた。満身創痍だったチョン・ソンリョンは「これ以上の怪我で試合に出たこともある。他のGKもいた中で出ていたので、最善を尽くすということをやり通しました」と、目標を成し遂げた達成感に浸っていた。
(取材・文:舩木渉)
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