田坂祐介は川崎フロンターレ在籍通算9年でついに初タイトルを掴み取った【写真:Getty Images for DAZN】
明治安田生命J1リーグ最終節が2日に行われ、川崎フロンターレが最後の最後で鹿島アントラーズから首位を奪い取り、悲願の初優勝を成し遂げた。
ドイツ2部ボーフムでの3シーズンを挟み、特別指定選手時代の2007年から通算9シーズンにわたって川崎Fに在籍している田坂祐介は「みんな最後はチームのためにと思って仕事してきたので、それがまとまりを生んでこういう結果になった」と、臨み続けた初タイトル獲得の喜びを噛み締めた。
プロ1年目だった2008年と翌2009年にJ1で2位となり、惜しくも優勝を逃した。2009年にはヤマザキナビスコカップ(現ルヴァンカップ)でも準優勝。年間3位だった昨季はチャンピオンシップで敗れて優勝を逃し、天皇杯でも決勝で鹿島アントラーズに屈した。今季もルヴァンカップ決勝であと一歩まで迫った初タイトルを逃していた。
そういったクラブの歴史を知る、在籍期間の長い数少ない選手の1人としてプレーしてきた田坂は「これって言えないですけど、いろいろな感情が入り混じって、複雑な感情でしたね。やっと一つ大きな壁を越えたかなという感じ」と、大宮アルディージャに勝ってJ1逆転優勝が決まった瞬間を振り返る。
「(これまでタイトルを逃してきたチームとの違いは)正直わからない。けど、これまでのこのクラブの積み重ねがこういう結果を生んだんじゃないかと思います」
川崎Fはピッチ内でのタイトルを追い求めるのと同時に、ピッチ外でもファン・サポーターのために様々な取り組みを積極的に行ってきた。今回の優勝で、これまで地道に積み重ねてきたクラブ全体の努力が実り、大輪の花を咲かせた。
(取材・文:舩木渉)
【了】