ロシアW杯で“死の組”になったのはどのグループか【写真:Getty Images】
現地時間1日、来年のロシアW杯本大会に向けたグループステージ組み合わせ抽選会が行われた。
各国がその結果に悲喜こもごもだが、最も厳しい組み合わせになったグループはどこなのだろうか。最新のFIFAランキングを元に計算してみた。
まず、グループ内のFIFAランキングの平均値が最も高かったのはグループCだった。フランス(9位)、オーストラリア(39位)、ペルー(11位)、デンマーク(12位)が揃い、平均17.75位(中央値:11.5)という高い数値を叩き出している。
一方で最も4ヶ国のFIFAランキングの平均が低かったのは、開催地ロシア(65位)が入ったグループAである。同居したサウジアラビア(63位)、エジプト(31位)、ウルグアイ(21位)との平均は45位(中央値:47)となっている。
グループ内4ヶ国のFIFAランキング平均のみで順番に並べると以下のようになる。
1位:グループC(17.75)
2位:グループE(18.25)
3位:グループB(20.25)
4位:グループD(23.25)
5位:グループF(23.50)
6位:グループH(24.50)
7位:グループG(25.75)
8位:グループA(45.00)
次に見るのは、各グループ内でどれだけFIFAランキングの順位がバラけているかを測る「分散」の値である。分散は各国の順位とグループ内平均順位の差を2乗し、4ヶ国分合計したものの平均を計算することで求められ、値が小さいほど順位のバラつきが小さいということになる。
グループ内に極端に高いまたは低いチームがいた場合には平均値に大きな影響が出てしまうが、分散の値を求めると、平均値が妥当なものか、あるいは特定のチームによって底上げされているか大きく下げられているかを分析することができる。
分散の値が小さかったのはやはりフランス(9位)、ペルー(11位)、デンマーク(12位)が同居するグループC(151.69)だった。次にブラジルやスイス、コスタリカ、セルビアが入ったグループE(195.19)、さらにポルトガルとスペインが同居しモロッコ、イランも入ったグループB(257.19)と続く。
グループ内のFIFAランキングのバラつきが最も大きかったのは、1位のドイツと59位の韓国が同居したグループF(463.25)だった。
各グループ内の順位の分散が小さい順に並べると以下のようになる。
1位:グループC(151.69)
2位:グループE(195.19)
3位:グループB(257.19)
4位:グループD(281.69)
5位:グループH(342.75)
6位:グループG(365.69)
7位:グループA(374.00)
8位:グループF(463.25)
仮にグループ内の競争が最も厳しい“死の組”を「FIFAランキングの平均が高く、グループ内の順位分散が小さい」と定義すれば、以下のような順位になる。
1位:グループC
2位:グループE
3位:グループB
4位:グループD
5位:グループH
6位:グループF
7位:グループG
8位:グループA
やはり最も“死の組”と言えるのは、オーストラリアの入ったグループCだろう。FIFAランキング9位、11位、12位が同居しており、決勝トーナメント進出への競争の激しさとレベルの高さは想像に難くない。
やはりポルトガルとスペインが同居したグループBや、ブラジルとスイスが同居し、FIFAランキング上位の国々が並ぶグループEも、その中に入ったチームにとっては難しい組み合わせになった。
グループFは韓国にとってみれば“地獄”のように厳しいが、他国からみればそれほど難しい組み合わせではないのかもしれない。FIFAランキングの中央値の高さと1位のドイツの存在は大きいものの、上位3ヶ国と韓国の差があまりにも大きい。
日本が入ったグループHは今回の組み合わせの中で平均的な位置に収まった。全体のFIFAランキングは高すぎず、実力的にそれほどバラけていないが、“死の組”とは言えない。
【了】
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