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マンC・エデルソン、ペップにとってはノイアー以上に理想的? 最先端型GKの完成度【西部の目】

バックパスルールが改定されて以降、フィールドプレーヤー的な能力も求められるようになってきたゴールキーパー。もちろん本業はセービングなど旧来から必要とされてきた仕事であるが、今ではビルドアップ能力など足下の技術も重要な要素となっている。その点においてマンチェスター・シティのエデルソンは、ペップ・グアルディオラ監督にとってノイアー以上に理想的なGKとすら言えるかもしれない。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

最も進化したポジションはGKか

エデルソン
マンチェスター・シティのGKエデルソン【写真:Getty Images】

 GKほど進化したポジションもないだろう。

 進化という点ではSBが最もマルチ化したポジションかもしれない。かつては敵のウイングをマークすれば良かったのが、ウイングの消滅と同時にウイングそのもののプレーを求められるようになり、現在では中央でボランチやインサイドハーフの役割まで果たすようになった。

 とはいえ、SBの多機能化はフィールド内での役割の変化にすぎない。フィールドプレーヤーであることに変わりはないわけだ。

 ところがGKは今やフィールドプレーヤーでもある。2014年ブラジルワールドカップでは、ペナルティーエリアから飛び出してスライディングタックルするマヌエル・ノイアーに驚かされたものだが、もはやそれも過去の話だ。

 GKはビルドアップの中心となり、正確なフィードでカウンターアタックの起点にもなる。必要ならドリブルで敵を抜くことさえある。

 フィールドプレーヤー化したGKの最先端はブラジル代表、マンチェスター・シティのエデルソン・モラレスだろう。

 ブラジルのサンパウロ州オザスコ生まれの24歳、エデルソン・サンタナ・ジ・モラレスはサンパウロのユースで1シーズンプレーした後、ベンフィカ(ポルトガル)のユースへ移籍している。

 16歳からの2シーズンをベンフィカで過ごした後、2011年に2部リーグのリベイロンでプロデビューとなった。

 ブラジルの選手が十代でポルトガルのクラブへ移籍するのはいわば出世コースだ。早い段階でヨーロッパのサッカーや生活に慣れておいてプロデビューし、さらに活躍が認められればプレミアリーグなど他国のクラブに移籍する。

 言葉が同じポルトガルはブラジル人にとって移籍しやすく、ポルトガルリーグはヨーロッパのビッグクラブにとってブラジル人選手を品定めするためのショウケースになっているわけだ。

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