試合をコントロールされるも終わってみれば3-1勝利
インテルを勝利に導いたルチアーノ・スパレッティ監督【写真:Getty Images】
試合をコントロールしていたのはカリアリだった。今季途中就任したディエゴ・ロペス監督のもと、カリアリは見事なまでに戦術を練り込み、インテルのサッカーを破壊しに掛かっていた。
3-5-2のシステムのもと、高い位置からプレスをかける。狙い撃ちにしたのは、ビルドアップの源泉となるCBとボランチ2枚のエリアだ。しかも、ただ2トップが追い回すだけでなく、後方も連動して距離を詰めてボールホルダーを挟み込んだ。
インテルのMF陣よりも常に一歩早く、鋭い出足でボールを奪うとスピーディーに展開。かつてピルロの後継者とさえ期待されたルカ・チガリーニと、現在急成長中の20歳ニッコロ・バレッラを中心に、インテルの守備が整う前に左右に展開して振り回した。16分、右クロスに反応したレオナルド・パボレッティのボレーをサミル・ハンダノビッチが奇跡的な反応で止める。インテルの苦戦は目にも明らかで、彼らにとっては今シーズンで一番苦しめられた試合だったかもしれない。
だが、そんな内容も終わってみれば3-1だ。相手に圧倒されながら先制し、後半も攻め込まれながらあっさり追加点も奪い、リードを1点に詰められたら駄目押しの3点目。この日の勝利でクラブ歴代記録となる勝ち点36を積み上げ、暫定的に首位に立ったインテルが見せたのは、苦しい試合をものにする耐久力と狡猾さ。そしてそこには、ルチャーノ・スパレッティ監督のもとで培った戦術的な強さが現れていた。