槙野智章は日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督との“約束”を果たした【写真:Getty Images】
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝2ndレグが25日に行われ、浦和レッズはホームでサウジアラビアのアル・ヒラルに1-0で勝利。そして1stレグとの2戦合計スコアで2-1とし、10年ぶりのアジア制覇を成し遂げた。
このタイトル獲得により、浦和は来月UAEで開催されるクラブW杯への出場が決定した。同時期に行われ、日本代表が参加するEAFF E-1サッカー選手権(旧東アジアカップ)には同クラブ所属選手が出場できないことになる。
だが、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督と約束があったと槙野智章は語る。
「今言えることですけど、前回の代表合宿終わる時に、ハリルホジッチ監督から『東アジア(E-1)に出るな』ということを言われて(笑)。出るなというのは、しっかりこれ(ACL)に勝って、クラブW杯に行ってほしいということがあった」
さらに「解散する時に、スタッフはじめいろいろな選手から『応援してる』『勝ってくれ』というのをメッセージとしてもらっていた」とも明かした。それだけれはない。「街ゆく人もそうだし、たぶん普段僕たちに負けてほしいと思っている他のチームのサポーターとか、違う選手からも『今日は応援してる』というメッセージをもらった。どうにか勝ってよかった」と槙野は語る。
来月のクラブW杯では、準決勝まで勝ち進めばレアル・マドリーと対戦するチャンスもある。昨年鹿島アントラーズが決勝で敗れた相手でもあり、槙野も並々ならぬ思いを胸にUAEでの大会に臨む覚悟だ。
「昨年(Jリーグの)チャンピオンシップで鹿島に負けて、鹿島がクラブW杯で一つひとつ勝っていく、たくましくなっていくのをテレビで見ていた。自分たちもああやって少しでも成長していかなきゃいけないし、ひとつでも勝つこと、そしてレアルとやることがあれば、やっぱりチャレンジしてみたいという思いはあります」
今季はリーグ戦で苦しみ、監督交代も経ながらアジアの頂点に立った。10年ぶりのACL制覇はタイトルの大きさ以上に、浦和がチームとして確かに成長していることも意味する。槙野の次なる目標は「世界」だ。
「この1ヶ月、2ヶ月くらいですかね。自分の中で大きな変化もあったし、やらなくちゃいけない責任感も増えた。いろいろな人の言葉とか、いろいろな人に対してすごく残念な気持ちにさせてしまったのを取り返さないといけないというのが自分の中でもありましたので、なんとかこういう形として表すことができたというのは良かった。ただこれがゴールじゃないし、僕にとってこれからがまた勝負だと思います。さらにレベルアップできるようにやっていきたいと思います」
(取材・文:舩木渉)
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