セビージャのエドゥアルド・ベリッソ監督は前立腺がんに冒されていることを公表した【写真:Getty Images】
現地時間21日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のリバプール戦のハーフタイム、セビージャのエドゥアルド・ベリッソ監督は自らが前立腺がんに冒されていることを選手たちに公表した。
22日にはクラブからも正式に発表があり、今後は治療のために休養に入ると見られている。病を告白しながら現場に立ってチーム練習を指導している姿はたくましく、指揮官の病状を聞いた選手たちは奮起し、リバプールに3点差をつけられた状態からドローに持ち込んだ。
そうやって周囲からの尊敬を集めるベリッソ監督に、国内のライバル・バルセロナが医療面での支援を申し出たという。英紙『サン』などが伝えた。
バルセロナはかつて、ティト・ビラノバ監督をがんで失った。ジョゼップ・グアルディオラから引き継いでトップチームを率いた初年度、2012/13シーズンのこと。リーガ・エスパニョーラで前半戦無敗、勝ち点55という好成績を残していたが、2012年12月にビラノバ監督に耳下腺腫瘍が発覚した。
一時は現場復帰を果たしたものの、2013/14シーズン開幕前に再発が発覚。そして懸命な治療も及ばず、2014年4月25日に45歳で息を引き取った。
ベリッソ監督の前立腺がんは初期のものとされているが、がん細胞は患者が若いほど活発になり、病状の進行が速くなると言われている。バルセロナとしてはビラノバ元監督と同年代の指導者が同じ道を歩まぬよう、当時の治療によって蓄積された情報や経験だけでなく、クラブの施設も提供する意思を示しているとのこと。
選手たちから絶大な信頼を寄せられ、人格者として知られていたビラノバ元監督の死去は、大きな悲しみをもたらした。同じことを繰り返させたくないというバルセロナの思いは、必ずセビージャとベリッソ監督の元に届くはずだ。
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