リオネル・メッシのプレースタッツが低下している。不調なのかそれとも…【写真:Getty Images】
開幕からわずか1得点と深刻なゴール欠乏症に悩まされているレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウドだが、同じようにゴールから見放されて苦しんでいる選手がいる。
それはバルセロナのリオネル・メッシだ。
今季も例年通り、これまでのリーグ戦全12試合にフル出場して12得点。数字だけ見れば文句のつけようのない成績に思われる。だが、最近のリーグ戦5試合で挙げたゴールはわずかに1つ。公式戦に視野を広げても、10月14日のラ・リーガ第8節から直近の同第12節レガネス戦までの8試合で2ゴールしか奪えていない。
ゴール以外のスタッツもこの1ヶ月は、それまでに比べて明らかに低下している。選手スタッツをまとめているウェブサイト『Whoscored』のデータを見ると、リーグ戦開幕から第7節ラス・パルマス戦まで、毎試合平均7.3本放っていたシュートは、第8節アトレティコ戦以降の5試合は1試合平均4.2本に減ってしまった。
第7節ラス・パルマス戦まで1試合平均3.4回だったボールを奪われる回数も、第8節アトレティコ戦以降は1試合平均4.6回に増加している。
パス関連のデータにも変化が見られる。リーグ開幕戦から第7節ラス・パルマス戦までは1試合平均のパス成功率が81.7%を記録していたが、第8節アトレティコ戦以降は79.6%まで低下している。顕著だったのは最近の第12節レガネス戦で、チームは勝利したもののメッシが蹴ったパスは今季最少の38本、パス成功率はこれまでの平均を大きく下回る76.3%だった。
バルセロナがリーグ戦でチーム全体のパス成功率は平均87.5%を記録している。メッシは相手のプレッシャーを受けやすい前線でプレーしているとはいえ、個人スタッツが軒並み低下しているのは事実だろう。
相変わらず攻撃に関わればプレーのクオリティは高く、バルセロナを支える存在であることに疑いはない。そのためメッシのパフォーマンスの低下は、今後のチームの戦いに影響を及ぼしかねない。
そしてメッシ自身、今季末で満了を迎えるバルセロナとの契約に関して延長交渉は進んでいない。来年1月1日からは他クラブとも自由に交渉できるようになるため、低調な最近のプレーがピッチ外の事象にも影響してしまう可能性もある。
順調に見えた12試合12得点の裏で、調子を落とすメッシは本来の姿を取り戻せるだろうか。これからのプレーぶりに注目だ。
【了】