ブラジル戦の前日練習を行う日本代表【写真:田中伸弥】
日本代表は現地時間9日、フランス・リールにおいて翌日のブラジル代表との試合に向けた前日練習を行った。
ハリルホジッチ監督はまず選手とスタッフ全員を集めてピッチ中央で全体ミーティングを開始。約3分のミーティングでは、監督が大きな声で選手たちに発破をかけていた。ブラジル戦は親善試合ではあるが、「本気モード」で臨む。
その後はランニング、ストレッチ、ダッシュへと移行。ここで15分が経過し、以降は非公開となった。選手らは笑みがほとんどなく、真剣そのもの。W杯最終予選のような雰囲気のピリピリとしたムードが漂っていた。
ブラジル戦とベルギー戦はハリルジャパンにとって真価を問われる試合になる。指揮官が取り組んできたのはW杯を見据えたチームづくり。アジアで圧勝するよりも、W杯本大会で勝利することを優先し、時に大きな批判に晒されながらもスタイルを貫いてきた。「我々のスタイルで戦う」と語ったように、世界屈指の強豪相手でも極端に守備的にするのではなく、これまでの延長線上の戦い方をする。
勝利とまではいかなくとも、ある程度の戦いができればW杯で戦うイメージを持つことができるが、逆に大敗するなどまったく通用しなかった場合には、評価は地に落ちる。「解任論」が再燃してもおかしくはない。W杯本大会まであと7ヶ月と迫ったなかで監督の首をすげ替えることが得策だとは思えないが、逆風が吹くことは間違いない。
これまでハリルホジッチ監督は選手・戦術、多くのテストを行ってきた。ブラジル戦とベルギー戦は監督自身へのテストとなる。果たして合格か不合格か。ブラジル戦は現地13時、日本時間21時と、日本では視聴しやすい時間帯にキックオフとなる。
(取材・文:植田路生【リール】)
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