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ラシン試合放棄、ソシエダがコパ準決勝へ

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開始40秒後に主審が没収試合とすることを決定
開始40秒後に主審が没収試合とすることを決定【写真:goal.com】

30日のコパ・デル・レイ準々決勝セカンドレグ、ラシン・サンタンデール対レアル・ソシエダはラシンの選手たちがプレーを拒否したために没収試合となった。試合は3-0でソシエダの勝利となり、同チームは合計スコア6-1でバルセロナが待ち受ける準決勝に歩を進めている。

2011年1月、当時リーガ1部に在籍していたラシンはインド人投資家アリ・サイド氏によって買収されたものの、同氏が公約を一切守らないまま姿をくらましたことで、財政難どころか経営の操縦桿すら失っていた。2012年5月にはアリ・サイド氏の推薦人物であるアンヘル・ハリー・ラビン氏が会長職に就いたものの、トラブルは絶え間なく続き、クラブ創立100周年を迎えた昨季に2部B(実質3部)にまで降格している。

そしてラシンの選手たちは27日、ここ数カ月の給与未払いによって、コパ準々決勝セカンドレグのプレーの条件としてラビン会長率いる取締役会の辞任を要求。しかし同会長は「辞任はしない。観戦のためにスタジアムに向かうよ。身の安全など心配していない」と発言し、その要求を拒否していた。選手たちはスペインサッカー選手協会(AFE)からの説得も受けたが、結局試合を放棄する意思を貫いている。

ラシンの選手たちはこのソシエダ戦で、本拠地サルディネロのピッチには立ったものの、ハーフウェーライン付近で固まってプレーの意思がないことを表明。ヒル・マンサーノ主審はキャプテンのマリオ・フェルナンデスと話し合い、キックオフから40秒後に没収試合とすることを決定した。スタンドに集まったラシンギスタ(ファン)は「コソ泥はサルディネロから出て行け」との横断幕を掲げ、「王者たちよ!」とのコールで選手たちを後押ししている。

一方でソシエダのジャゴバ・アラサテ監督は、「我々にとって迷惑なことではあるが、本当にそう感じているのはラシンの人々だ。今日はラシンギスモ(ラシン主義)が生き続けていることを、この目に焼きつけることができた」と、カンタブリアが誇る名門クラブの窮状に理解を示している。ラシンは試合放棄によって、来季のコパ参加資格はく奪のほか、罰金3000~1万2000ユーロを科せられる見込みだ。

なおラビン会長は否定しているものの、ラシンの破産管財人は1月17日にアリ・サイド氏の保有する株式を凍結している。同管財人は1月31日に行われる株主総会で、同会長と取締役会を解任する方針とされる。

Goal.com

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