強豪国との対戦で測れる“現在地”
日本サッカー協会は11月10日のブラジル戦、14日のベルギー戦に臨む日本代表メンバー25人を発表。本田圭佑、岡崎慎司、香川真司らが外れた一方で森岡亮太が3年ぶりに復帰、長澤和輝が初選出された他、西川周作、興梠慎三、三浦弦太が復帰した。
新しい選手のテストといった要素もあるが、第一には現段階でブラジル、ベルギーとの対戦をシミュレートした場合に勝利の可能性を少しでも高められるメンバーという意味合いが強いだろう。
全体的にはコンディションに寄せている印象もあるが、膝に不安を抱える長谷部誠が復帰し、継続的に出場しているものの好調とは言えない大迫勇也などは引き続き招集している。
メンバー発表会見ではっきりしたのは前段階で指揮官が対戦相手の研究をかなり進めており、2試合をシミュレーションしているということ。コンディション面など合宿で選手をチェックしてから最終的なスタメンを決定するが、ブラジル戦とベルギー戦それぞれ採用するオーガナイズ(基本的にはシステムと同義)、起用する選手を想定しているはず。それだけ“本気モード”ということだ。
相手がどこでも事前にスカウティングして長所や弱点を見出すタイプの指揮官ではあるが、今回その熱意がさらに高まっていることは会見での両国の説明からも見える。それだけ本気で勝ちに行って、そこで見える“現在地”を本大会に向けた残り半年間につなげていくということ。そのための実用的なメンバーということだ。
特に“守備的MF”にカテゴライズされる選手を4人も選出しており“攻撃的MF”の枠にボランチもこなせる倉田と新戦力の長澤を入れていることから、ブラジル戦もベルギー戦も中盤での守備が生命線になると考えていることは間違いない。
長谷部をこのタイミングで呼んだのはキャプテンということ以上に、中盤がシビアな戦いになる中で、攻守をオーガナイズでき、ゲームコントロールに優れる選手が必要になると考えているからではないか。