「素晴らしい崩しだった」会心のアシスト
再び“存在価値”をピッチの上に示した。
11月1日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)、APOELニコシアをホームに迎えたグループHの第4戦。10月28日のハノーファー戦を2-4で落としたボルシア・ドルトムントにとって敗北を引きずらず、そのスタイルの正当性を改めて証明するための重要な試合で、先制点をもたらしたのは、香川真司だった。
29分、左サイドで始まった一連のコンビネーション。ユリアン・ヴァイグルからのパスを、少し相手のディフェンスラインの手前に下がった背番号23は、半身になって右足のアウトサイドでペナルティエリア内に送る。ボールは走り込むラファエル・ゲレイロの足元にぴったり転がった。ポルトガル代表SBは、香川からの“プレゼント”を、左足できっちり決めて先制。[5-3-2]で固くゴールの前を閉ざすAPOELの牙城を、ようやく崩した瞬間だった。
アシストの香川は「素晴らしい崩しだった」と振り返る。
「いい形で、あそこに入り込みたいな、あそこで受けれたらな、と思っていたんですけど、なかなか相手も来てたので。で、左サイドがボール回しがうまくいってたから、だから僕もそこに入り込みにいきたいな、と思ってた。ただ、あまり入り過ぎずに、上手くいいポジショニングを取ることは意識した中で、素晴らしいボールが来た。後は、いいボールが出せたし。何より、みんなが前線にリスクを高めて入り込んでいかないと、相手の陣形も崩れないですから。そういう意味では、そういうものを象徴した、素晴らしい崩しだったと思います」