ドルトムントが原点に立ち返る時
“決戦”に様変わりした。
11月1日のチャンピオンズリーグ(CL)。ホームで迎えるAPOELニコシア戦を、主将のマルセル・シュメルツァーは「私達のチャンピオンズリーグ“決勝”」と形容した。現在グループHで3位のボルシア・ドルトムントだが、勝ち点では4位のAPOELと同じく1ポイントで並んでいる。得失点差でわずかに上回っているに過ぎない。実質的には最下位だ。
先月28日に行われたブンデスリーガ第10節では、ハノーファーにアウェイで2-4と完敗した。ボールを奪われると、高いディフェンスラインの裏へ簡単にボールを出され、カウンターでも後手を踏んで4失点。ハノーファーの戦略勝ちだった。組織的な守備で[4-3-3]を押さえ込まれたドルトムントだったが、スポーツディレクター(SD)のミヒャエル・ツォルク氏によれば、「システムに疑問を持つことは口実」なのだという。
「問題なのはこういうことだ。セカンドボールをもぎ取るために、もう1度ツヴァイカンプフ(1対1)で勝利し、敵の行く手にがっしりと立ち塞がらなくてはならない。これが今の我々に欠けていることなんだ」
ドルトムントのSDは、言わば“フットボールの原点”に立ち戻ることを強調する。
「我々がそんなにもわずかな準備で、そんなにも脆弱な1対1の強さで、そんなにも多くのミスを犯してプレーすれば、この世界のどんなシステムでプレーしても敗北するだろう。どんなシステムにおいてもだ!」
ツォルクSDが指摘するように、敵に高い位置からプレスを掛けられ、GKまでボールが戻され、ロングボールを蹴らざるを得なかったとしても、その後のセカンドボールをきっちり自分たちのものにすることができれば、簡単に裏へボールを蹴られることはないだろう。そしてそれは、そのままカウンター対策にもなるはずだ。