ナントのクラウディオ・ラニエリ監督【写真:Getty Images】
レスター・シティをプレミアリーグ初優勝の歴史的快挙に導いたクラウディオ・ラニエリ監督が、フランスでも新たな旋風を巻き起こそうとしている。同監督の率いるナントの躍進が各国メディアの注目を集めている。
ラニエリ監督は2015/16シーズンにレスター監督に就任。日本代表FW岡崎慎司も加入したこの年、レスターは驚異的な躍進を遂げ、クラブ創設133年目で初となるトップリーグ優勝のタイトルを手に入れた。
翌シーズンの成績不振により解任されたラニエリ監督は、今季からフランス1部のナントの監督を務めることになった。ナントは昨シーズンを7位の成績で終えたとはいえ、それ以前には1部と2部を行き来するなど低迷の時期を過ごしていたクラブだった。
だがラニエリ監督の率いる今季、ナントは好発進を切ることに成功。10試合を終えて6勝2分け2敗の成績で、パリ・サンジェルマン(PSG)とモナコに次ぐ3位につけている。
英メディア『BBC』は、ラニエリ監督が率いていたレスターと現在のナントには共通点があると指摘している。1試合平均1失点を下回る堅守、ポゼッション率約40%からカウンターを武器とするスタイルなど、レスターを彷彿とさせる戦いを見せていることがデータからもうかがえると伝えた。
ラニエリ監督自身は、レスターとナントには「何も共通点はない。監督が同じなだけだ」と主張。「レスターは特別な何かだった。50年経っても再現するのは不可能なものだ」と、快挙の再現を期待することはできないという考えを述べている。
昨季王者モナコや、超大型補強でタイトル奪還を目指すPSGの牙城を崩すのが簡単ではないことは確かだろう。だがレスターで実際に“奇跡”を起こした実績を持つラニエリ監督に、人々は期待せずにはいられないのかもしれない。
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