ドルトの面影感じさせるハノーファー。日程ではドルト有利
上昇気流に乗っていけるか。10月24日のDFBポカール2回戦で、マクデブルクに5-0で完勝したボルシア・ドルトムント。抜擢された18歳のFWアレクサンダー・イサクが1G1Aの結果を出し、停滞しつつあったムードに風穴を開けた。BVBは10月に入って初めての勝利を手に入れている。3部相手とは言え、貴重な勝ち星に変わりはない。この勢いを手放さず、ブンデスリーガ第10節、ハノーファー96戦に持ち込みたいところだ。
27日に行われた前日会見で、ピーター・ボス監督はハノーファー戦を「挑戦」と位置付け、対戦相手を警戒した。
「典型的な昇格チームではない。特にシーズンの初めには、とても良いサッカーをしていた」
かつて酒井宏樹、清武弘嗣、山口蛍ら日本人選手が所属したハノーファー。最下位に終わった15/16シーズンに降格したが、2部では1年間を過ごしただけで、今季から1部に返り咲いた。アンドレ・ブライテンライター監督は、プレッシングとゲーゲンプレッシングを軸に、堅守速攻を武器とする。スタイルの根幹はドルトムントに通じるところもある。ただ、圧倒的な個や違いを作れる際立った選手は見当たらない。だからこそ、全員がハードワークを惜しまず、自分たちの能力の限界値を把握した上で、その上限に挑むようなサッカーを披露している。
もっともハノーファーは、25日にポカール2回戦を終えたばかりだ。ドルトムントより1日少ない中2日で、土曜日のリーグ戦に備えなければならない。その0-1で敗れたポカールのVfLボルフスブルク戦でも、プレスがしっかり掛からないなど、既に疲労の影響は散見された。ポゼッションの質を高めて敵を走らせ、動きを落としてスペースを有効に使えば、十分に勝てる相手と言えそうだ。
もちろんボス監督が語るように、決して油断はできない。現在ハノーファーは、ヨーロッパリーグ出場圏内の6位に付けている。しかしドルトムントは翌週の11月1日にはチャンピオンズリーグのAPOEL戦、4日にはバイエルン・ミュンヘン戦と、ホームで重要な2連戦が控えている。やはりハノーファーにも勝ち切って、せっかく手に入れた上昇ムードを手放さないようにしたいところだ。