あと一歩寄せたかった長谷部誠【写真:Getty Images】
フランクフルトは現地時間21日、ボルシア・ドルトムントをホームに迎えて2-2と引き分けた。長谷部誠は2点ビハインドからの勝ち点を喜びながらも、自身のミスを反省している。
長谷部は18分、相手MFヌリ・シャヒンにつききれず先制点を奪われると、57分の2失点目にも関与してしまった。その後、チームは2点を返し、勝ち点1を手にしている。
長谷部は「0-2から追いついたっていうのはチームとして評価できるかなと思いますけど…」と切り出したが、「個人的には1失点目も自分のミスでしたし、2失点目もシュートを打った選手にもう少し良い対応ができたと思う」と振り返った。
2点差を追いついた試合だが、フランクフルトは勝つチャンスもあった。長谷部は自分のミスがあったこと、難しい試合だったことを強調しながらも、「こういう試合を勝ちきれるか勝ちきれないかで、自分たちが上に行けるか行けないかっていうのは変わってくるんじゃないかと思います」と話し、さらに勝負強くならなければいけないと感じている様子だ。
チャンピオンズリーグを戦ったばかりのドルトムントの印象は「連戦でかなり疲れていると感じた」と長谷部。「メンバーもかなりかわっていて。守備もそんなに良くないっていうのは、今日もやっていて感じました。ここ1、2週間、そんなに良い状態ではないときに当たったんでね。こういう時だったからこそ、勝ちたかったというのはあります」と述べている。
それでも、ブンデスリーガの首位を走ってきたドルトムント。FWピエール=エメリク・オーバメヤンなど、リベロを務めた長谷部にとって気の抜けない相手だったことは間違いない。
「とにかく速い選手が多かったので、裏をとられないようにというのは心がけてやってましたけど、何回かとられてしまう部分もあった。ボールの止め方が悪いとちょっと危ない場面も結構あったので、そういう意味ではこういう相手とやるときは、小さな隙が失点につながると感じます」
2失点目についても、あと少しの差で防げたという気持ちを持っている。
「最初は相手を遅らせようかという考えもあった。味方の戻りを待とうというのもありましたけど、あそこはおそらく、あと一歩早く寄せていれば自分の足に当てられたところでした。ドルトムントのようなトップの選手を相手にするときは、そういう一歩、半歩が勝負の分かれ目になる」
強力な相手と戦ってこそ見える課題。長谷部は2点差を追いついて得た勝ち点1よりも、改善すべきだったプレーのことが頭にあるようだ。
また、自身のコンディションについては「今は大丈夫」と語っている。「まあ良かったり悪かったりするんで。僕もひざに機嫌を聞かないと分からない部分もあるんですけどね」と笑顔。その日によって状態は違うようだ。前回の代表招集を回避して「しっかり休めたことは大きかった」が「だからといって完全に良くなったわけでもなく、そのへんは様子を見ながらって感じです」と述べた。
(取材:本田千尋【フランクフルト】、文・構成:編集部)
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