序盤から感じたフランスの“リスペクト”
試合開始直後から、かなり厳しい戦いになることは容易に想像できた。結果的にいいところを出させてもらえぬまま、日本はフランスに屈した。
11日に行われたU-17W杯のグループステージ第2戦、日本はフランスと対戦して1-2で敗戦。初戦のホンジュラス戦に続く連勝を狙ったものの、それは叶わなかった。
最前線でチャンスを狙っていたFW宮代大聖は「前半立ち上がりからいい入りができなくて、相手のペースに呑まれてしまった」と、苦しい展開を悔やむ。
4-4-2のフォーメーションで臨んだ日本に対し、フランスは4-1-2-3の形で挑んできた。一昨年、ともにU-15代表だった時代にフランスは日本に親善試合で敗れていた。W杯初戦の後、フランスのFWヤシン・アドリが口にした「一昨年、日本と対戦したことは知っている」という言葉は、試合が終わった今になって、重い意味を持っていたことに気づく。
彼らは日本をリスペクトし、確実に勝利するための策を講じてきた。
「前半から守備のところがなかなかうまくいかなかった。組織的に守備をする中でコンパクトにすることができず、相手の中盤の選手に自由を与えてしまって、相手にリズムを作らせてしまった」
センターバックとして出場した小林友希は、序盤から流れの悪さを感じていた。時に声を荒げて味方を動かそうとしたが、フランスはその上をいく組織力と個人能力で日本のゴールに迫ってきた。
フランス戦前日、小林は「前に出てボールを奪う」という意識について話ていた。しかし、ゾーン気味に守っていた日本の守備陣は、相手の巧みなサイドチェンジに引っ張られ、選手同士のスペースを広げられてしまう。
それによってできたディフェンスラインと中盤の間のスペースに、フランスのインサイドハーフ(特に10番のマクセンス・カケレ)が走り込んでボールを受ける。対応が遅れた日本の選手たちは後手を踏み続け、確実に寄せきれないままシュートまで持ち込まれるシーンは多々あった。