ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:田中伸弥】
【日本 2-1 ニュージーランド キリンチャレンジカップ2017】
日本代表は6日、キリンチャレンジカップ2017でニュージーランド代表と対戦し、2-1で勝利した。
「勝利しましたが、楽なゲームではなかった」。会見場に現れたヴァイッド・ハリルホジッチ監督はこう振り返った。
「面白い時間帯もあったが、おかしなことに得点を取った後、相手にイニシアチブを渡した。特にスローインやFKでロングボールをゴール前に入れられてしまった。そうなると失点するのは当然だ。前半も後半も得点のチャンスをたくさん作った。たくさんのシュートを打ったが、枠にいくシュートが少なかった」
前半には香川真司が決定機を迎えたが、ポストに嫌われスコアを動かすチャンスを逃がした。10番について指揮官は「ドルトムントではいいゴールを決めたが、我々が知っている香川ではまだない。特にボールを持っていない時。トレーニングを続け、できるだけ高いレベルになる必要がある」と発破をかけた。
また、ハリルホジッチ監督は「相手PA付近でFKをゲットしようと強調して言った」と明かす。しかし、そうしたシーンは皆無だった。「受け入れられない。W杯ではそういうところでいいキックを蹴れれば得点になる」と指揮官は憤りを隠せない様子だった。
この日は6枚の交代カードを使いきり、様々な選手を試した。その中で小林祐希、乾貴士が存在感を発揮し、倉田秋は勝ち越しゴールを奪ってみせた。10日にはハイチ代表戦が控えるが、「2試合目ではまったく違うチーム」とニュージーランド戦とは異なる陣容で臨むことを示唆した。
さらに「3月以降はメンバーや戦い方が固定されていくだろう」とも話す。それまで指揮官はテストを続けていくつもりだ。
「今のところはより多くの人数を見たい。誰がW杯に行けるのか。このチームが見せられる最高のレベルまでは遠い。私は日本人の特徴をいかした日本式のサッカーをしたい」
ハリルホジッチ監督のビジョンを体現できなければ、サバイバルを勝ち残ることはできない。
(取材:植田路生、文・構成:編集部)
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