1ヶ月前に味わったかつてない屈辱を乗り越えて
2018年ロシアW杯本大会への本格的なサバイバルのスタートとなる、10月のニュージーランド戦(6日=トヨタ)・ハイチ戦(10日=横浜)に向け、1日から愛知県内で強化合宿に入っている日本代表。
2日目の10月2日には川島永嗣(メス)や吉田麻也(サウサンプトン)ら欧州組5人と槙野智章、遠藤航の浦和レッズコンビのを合わせた7人が合流。16人でトレーニングを行った。
秋本番を感じさせる冷たい雨の降りしきる中、選手たちは2グループに分かれて調整を実施。この日合流組はランニングのみで上がったが、初日からいる9人はやや負荷の高いメニューに取りくんだ。
最後のサッカーバレーの途中に突如として停電が起き、練習を途中で切り上げるアクシデントに見舞われたが、植田直通(鹿島)は「だいたいあそこで終わりだったと思うので、ちょうどよかったんじゃないですか」と涼しい顔。選手たちは特に気にならなかったようだ。
この日合流した欧州組の1人である武藤嘉紀(マインツ)は9月30日のヴォルフスブルク戦で豪快なヘディング弾を決め、気分よく代表に加わった。今季すでにドイツ・ブンデスリーガで3得点を挙げ、昨季までの指揮官、マルティン・シュミット監督が就任したばかりのヴォルフスブルク相手に傑出した得点能力を見せつけたことは、大きな自信につながったはず。「公式戦で点を取れてるってことは自分自身のモチベーションとしても非常に重要ですし、コンディションもいいので、とにかく楽しみです」と本人も笑顔をのぞかせた。
とはいえ、1ヶ月前の最終予選終盤2連戦ではかつてないほどの屈辱を味わった。8月31日のオーストラリア戦(埼玉)ではまさかのベンチ外となり、9月5日のサウジアラビア戦(ジェッダ)も出番なしに終わったからだ。前回2連戦に呼ばれたFW陣で出場チャンスがなかったのは武藤だけ。これには納得できない部分が少なくなかったはずだ。
「前回のベンチ外に関するハリル監督からの説明? ないですね(苦笑)。監督が何かしら足りないと思っているからこそ、そういう判断になったんだと思います。あの悔しさっていうのは過去に味わったことのない悔しさだった。いろいろと悔しさは経験してきましたけど、また何かちょっと違う、言葉にしづらい悔しさでしたね」と彼自身も苦渋の表情を浮かべる。