左利きSBの有用性。これまで招集された選手たちは…
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、10月6日のニュージーランド戦と10日のハイチ戦に向けたメンバーを発表した。最終予選のラスト2試合を戦った前回のメンバーから長谷部誠、本田圭佑、岡崎慎司など経験豊富な常連選手が外れたものの、初招集は川崎フロンターレのDF車屋紳太郎のみだった。
今回のメンバー選考におけるハリルホジッチ監督の意図としては、新しい選手をテストするより、これまで招集経験があるもののW杯予選などで出場機会をあまり得られていない選手にチャンスを与え、同時に新しい組み合わせなども試すものと思われる。国内の有力候補は12月に予定されるEAFF E-1サッカー選手権(旧東アジアカップ、以下「東アジアE-1サッカー選手権」)がアピールの場になるのだろう。
そうした中で唯一、車屋が初選出されたのはなぜか。同選手はハリルホジッチ監督が就任して最初の選考でバックアップメンバーに選ばれ、昨年3月に代表候補メンバーとして千葉県で行われた国内合宿にも参加している。当時は「ちょっと早いなという気持ちもある」と心境を語っていたが、そこから1年半、予選突破からW杯本大会に向けたスタートの段階でようやく正式に選ばれたわけだ。
「車屋はここ最近調子がよく、機会を与えるのに値する内容を見せている。左利きの少ないこの代表において、彼にもチャンスをつかんでもらいたいと思っている」
そう評価を語るハリルホジッチ監督が起用してきた藤春廣輝(ガンバ大阪)や太田宏介(FC東京)といった左利きの選手たちは、日本代表の左サイドバックに定着できなかった。前々回は右利きながら左足の技術が高い宇賀神友弥(浦和レッズ)も招集されたが、怪我で一歩後退した感は否めない。
右利きながら左サイドに慣れている長友佑都、右サイドと兼務の酒井高徳、本職センターバックの槙野智章が左サイドバックの戦力だが、左利きの左サイドバックをチームに組み込むことができれば組み立ての幅が広がり、同サイドのウィングの起用法にもバリエーションを持たせやすくなる。