全てが足りず、全てが遅すぎた2017年
北海道コンサドーレ札幌と2-2で引き分けた先週末の試合(J1第27節)で、アルビレックス新潟は十分に戦う姿勢を見せた。2点ビハインドから追いついて勝ち点1を手に入れたが、試合終盤にかけて勝ち点3を獲れそうな戦いを見せていたのは新潟の方だった。
だが結局のところ、この試合は新潟の今季を象徴するような試合でもあった。全てが足りず、全てが遅すぎるという点で。
確かにまだ7試合が残されており、数字的には呂比須ワグナー監督のチームが奇跡的な降格圏脱出を成し遂げることも可能かもしれない。だが現実的には、残留の目はとっくに消えてしまっている。
5年前の2012年にもゲームオーバーを迎えるかにみえた新潟だが、周囲の予想を完全に覆して最終節で残留を勝ち取った。ホームで4-1の勝利を収めた相手は今回と同じ札幌。加えてガンバ大阪がアウェイでのジュビロ磐田戦に1-2で敗れ、ヴィッセル神戸がホームでのサンフレッチェ広島戦に0-1で敗れたことで、関西の2チームが降格を強いられる結果となった。
危機からの脱出を果たしたことが新潟に力を与え、その翌年には7位まで急上昇。優勝した広島との差はわずか8ポイント、降格ラインには実に30ポイントもの差をつけることができた。だがその好調も長続きはせず、2014年からは再び低迷に陥っていった。
2014年は降格ラインと9ポイント差の12位で終了。翌年にはさらに落とし穴へと近づき、6ポイント差の15位で降格を回避した。昨年は得失点差によるギリギリのJ1残留だった。今度は名古屋グランパスが新潟を救ってくれた。すでに降格の決まっていた湘南ベルマーレとのホームでの最終節に敗れた名古屋が降格の憂き目にあった。