移籍市場での“失態”もあり、クラブ取り巻く状況は厳しく
【バルセロナ 3-0 ユベントス】
補強の話題に嫌気がさしているバルサファンにとって、この試合はネイマールという大きな存在を忘れるためのいい機会となったかもしれない。
リーガエスパニョーラ開幕から“まさかの”3連勝を飾っているバルセロナは、チャンピオンズリーグ(以下CL)のグループステージ初戦という非常に早い段階で強豪ユベントスと対戦することとなった。
試合前の段階では、バルセロナにとってこの試合は厳しいものとなることが予想された。その理由として、昨季CLの準々決勝で合計スコア0-3の敗北を喫しているという事実と、今夏の補強戦略が大失敗に終わったことが挙げられる
バルセロナは今夏、ネイマール放出を皮切りに移籍市場では失意の時を過ごしており、ピッチ内外でのチームを取り巻く状況は決していいものではなかった。特にピッチ外でのクラブに対する非難は激しいもので、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長はじめ強化スタッフの辞任を求める声が後を絶たなくなっているほどだ。
フロント、新加入選手への批判は激しさを増し、事態は複雑なものとなっているが、移籍市場における失態の全てはネイマールの退団から始まっている。故にネイマールという大きな存在が空けた穴をどうにか埋められるようになれば、批判の声は次第に薄れていくと考えることもできる。問題は、それをどのようなアプローチで進めていくかということである。
多くの人が考えるのが、選手獲得によって埋めるという方法。バルサは今夏、クラブ史上最高額となる1億500万ユーロ(約136億円)でドルトムントからFWウスマン・デンベレを獲得した。20歳という若さでコンスタントにフランス代表に選ばれているなど、将来性は抜群だが、世界でも5本の指に入るようなプレーヤーの空けた穴を埋められるほどかどうかと考えると少し厳しい。
そもそもネイマールという超スーパーな選手の代役を務められる選手など世界中を探してもほとんど見当たらない。無理難題だ。ではその他にどのような解決策があるのか。今季新たにバルセロナの監督に就任したエルネスト・バルベルデ監督が、今回の試合を通してそれをうまく表現している。