本田圭佑【写真:Getty Images】
日本代表は現地時間5日、ロシアW杯アジア最終予選グループBのラストゲームでサウジアラビア代表と対戦し0-1で敗れた。
先月31日のオーストラリア戦で先発から外れていた本田圭佑は、サウジアラビア戦に右ウィングでスタメン出場。しかし、前半45分間のみのプレーで浅野拓磨と交代した。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は試合後の記者会見で「本田がトップコンディションでないことはわかっていた。ゲーム勘が欠けていたこともわかっていたので、45分限定で使った。リズムの面でトップレベルにない」と、キャプテンマークを託した“背番号4”の起用法について説明した。
確かに本田のプレーそのものは精彩を欠いていた。持ち味であるパス精度や巧みなボールキープは鳴りを潜め、ピッチ上での存在感は希薄だった。
一方、守備面ではある意味で大きな存在感を発揮していた。本田は守備時のポジショニングが悪く、自分で守らなければならないエリアを放棄してチームから逸脱して動いてしまう。対面している選手が高い位置を取ろうとすると、マークを他の選手に受け渡すことなく最終ライン付近までついていってしまった。
すると本田が埋めるはずだったエリアで、相手選手に完全フリーでのプレーを許してしまう。そこをカバーするのは右インサイドハーフとしてプレーした柴崎岳だった。そこからズレが少しずつチーム全体に波及し、本来マークできるはずの選手につききれず、中盤でのプレッシャーが甘くなって大きなピンチを招いたこともあった。
オーストラリア戦で左ウィングで先発した乾貴士は、複数の相手を同時に牽制する絶妙なポジショニングと的確なタイミングで適切な相手に猛プレッシャーをかけて守備に大きく貢献した。本田はそもそもスピードやアジリティを武器とするタイプではないが、それ以上に守備において必要なスキルに欠ける。
サウジアラビア戦はスタメン奪回を目指していたところに与えられた千載一遇のチャンスだった。しかし、ハリルホジッチ監督がオーストラリア戦のような戦い方をベースにチームを作っていくとすれば、ピッチ上に本田の居場所はなくなってしまうかもしれない。
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