岡崎慎司にとって殊更に重要だった開幕2戦連続ゴール
2018年W杯アジア最終予選の残る2試合に臨む日本代表メンバーにはプレミアリーグ戦士が2名。いわゆる海外組に占める割合の少なさは、移籍時に要求される労働ビザ取得基準の厳しさを反映しているが、岡崎慎司と吉田麻也はイングランド人も認める今季トップ10候補のレギュラーとして国際マッチ週間を迎えている。いずれも開幕3試合に先発出場し、国内紙によるマン・オブ・ザ・マッチ選出も経験している身だ。
レスターでジェイミー・ヴァーディーと縦の2トップを組む岡崎が、『サンデー・タイムズ』紙のレポートで「スター・マン(傑出した選手)」に選ばれたのは第2節ブライトン戦(2-0)。後半にベンチに退くお馴染みの展開ではあったが、ピッチ上での76分間には、攻守両面で足を止めず、献身さはもちろん、頭の回転の速さでもチームに貢献する岡崎らしさが随所で見られた。
岡崎が奪ったFKや放り込んだクロス、自陣内でのバックヒールで起点となったカウンターでのチャンスから更なる追加点が生まれていてもおかしくはない勝利だった。
そして何より、キックオフ52秒後にセーブ後のリバウンドを逃さず決めた先制点。得点に貪欲で、常にスイッチが入っている岡崎らしいゴールは、クロスの折り返しに真っ先に反応し、いきなり奪われたリードをすぐさま前半5分に帳消しにした開幕節アーセナル戦(3-4)から2試合連続だ。
FWならば誰でも早い時期に得点が欲しいが、岡崎にとっては殊更に重要な開幕2戦2得点でもある。
カウンターを得意とするレスターで5人目のMF的な仕事もこなす岡崎には、ともするとハードワーカーのイメージが過度に先行しがち。ベンチが続いた時期があったとはいえ、実際にリーグ戦で3得点のみだった昨季には、レポートの中で当たり前のように「MF岡崎」と記述しているタブロイド紙もあった。
加えて今季は、生来の点取り屋と言えるケレチ・イヘアナチョが新FWとして獲得されている。開幕前のメディアでは、バーディーとイヘアナチョの2トップを予想する声が多かったことも事実だ。