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Jリーグ 7年前

札幌MFチャナティップに漂う大ブレイクの予感。タイの英雄が秘めるピッチ内外の影響力

この夏、北海道コンサドーレ札幌に加入したタイ代表MFチャナティップ・ソングラシン。東南アジアの強豪ムアントン・ユナイテッドやタイ代表で絶対的な地位を築いていたアタッカーは、さらなる成長を望んで日本の地を踏んだ。そしてすぐさま周囲の信頼をつかみ、可能性を感じさせるプレーを連発している。(取材・文:舩木渉、協力:本多辰成)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

札幌で輝く“チャナ”。J1の舞台で躍動

チャナティップ
札幌に加入したチャナティップはいつも笑顔を絶やさない【写真:Getty Images】

「自分としては、今日はこれまでで一番いいプレーができたんじゃないかと思う」

 敗れた後にもかかわらず、チャナティップ・ソングラシンは屈託のない笑顔でメディアの取材に応じる。19日に行われたJ1第23節、川崎フロンターレ対北海道コンサドーレ札幌が終わった後のことだ。

 ムアントン・ユナイテッドから加入し、5試合連続の先発出場。母国タイでの愛称は「ジェイ」だったが、札幌には同じタイミングで元ジュビロ磐田の「ジェイ」・ボスロイドが加入したため、周囲からは「チャナ」と呼ばれ親しまれている。

 スタンドから見ていても、ひときわ小柄なチャナティップはよく目立つ。そしてプレーにもまた、人を惹きつける魅力がある。もはや札幌の攻撃の中心的存在であり、加入間もないにもかかわらずピッチ上で攻撃のスイッチを入れる重要な役割を担うまでになっていた。

 札幌の四方田修平監督は「彼自身の良さ、テクニックを生かして相手のブロックの中でボールを展開できたりですとか、スピードを生かして局面を打開して、得点場面につなげていく、そういったところがしっかりとJ1というリーグの中で出せている」と、背番号18のタイ人アタッカーを高く評価している。

 川崎F戦では特に後半、チャナティップの個人能力の高さが強調されていた。前半から相手のタイミングを外す絶妙なスルーパスや果敢なドリブル突破で劣勢を打開しようと試みていたが、ボールを受けられる回数も少なく、輝きは限定的なものだった。

 もう1人の「ジェイ」、つまり長身のイングランド人ストライカーは「前半は1トップで難しかった。ロングボールが僕のところにきても、2人のDFが背後にいて、守備的MFが僕の前にいて、囲まれていたからボールをキープするのが難しかった」と振り返る。

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