デビュー戦から傑出したパフォーマンスを披露
8月13日に行われた第2節のギャンガン戦で、この夏PSGに移籍したネイマールが、リーグアンデビューを飾った。
アウェイ用の黄色のジャージに身を包み、左サイドで先発、フル出場。62分、カバーニの得点をハーフライン付近からのロングパスでアシスト、82分には自らが起点となった攻撃を、カバーニのパスを受けてフィニッシュと、デビュー戦で1ゴール1アシストの結果を出した。
残念ながら現地へ行けずにこの試合は映像で見たのだが、画面で見ていても際立っていると感じたのはネイマールの視野の広さだ。フランス人には、一般的に視野の広い選手が少ない。やはりこの点でずば抜けた優れたヴェッラッティもイタリア人だ。かつてリーグアンに所属した松井大輔も、絶好のポジションでフリーになってもなかなか仲間が気づいてくれない、というジレンマをたびたび感じていたことと思うが、これは一種のお国柄、あるいは民族性ではないかと思う。
たとえばレストランのウェイターさんやショップの店員さんが(その道の専門家であるギャルソンと呼ばれる人たちを除き)いくら合図を送ってもまったく気がつかないといった経験を、フランスを訪れた方はしたことがあるのではないかと思う。
「全体を見回すってことをしない人たちなのかな?」と思う場面は、日常生活でもよくあるから、サッカーにも当然それは表れているのだが、そこへいくとネイマールのレベルは別世界だった。
前半、残念ながらマルキーニョスのヘディングシュートはポストに当たったが、同胞DFへ出したパスもタイミングや距離感は絶妙だった。
さらに素晴らしいのは、パスを出した後の動きだ。パスを出した瞬間に次の場所に移動、しかもあの瞬発力とスピードでこなすから、ここにいたと思ったらもうあそこに…という、いわゆる『ユビキタス』な存在になる。
選手はパスを出すときには次の動きを計算しているものだが、そのスピードと正確さ、実際にそれが攻撃アクションにどう直結するか、といった点で、ネイマールの動きは、特にこのリーグではずば抜けていると感じた。