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Jリーグ 7年前

松井大輔らしい移籍の決断。磐田からポーランドへ。誰もが惹きつけられる男の新たな挑戦

ジュビロ磐田からポーランド2部のオドラ・オポーレへの移籍が発表された松井大輔。今季は出場機会が限られていたものの、献身的にチームを支えていた。そんなベテラン選手が移籍を決めたことについて、名波浩監督や中村俊輔をはじめとしたチームメイトは「らしい決断」と納得している。(取材・文:青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

ジュビロに残る選択肢もあった

ジュビロ磐田からポーランド2部オドラ・オポーレへの移籍が決まった松井大輔
ジュビロ磐田からポーランド2部オドラ・オポーレへの移籍が決まった松井大輔【写真:Getty Images】

 チームに残る選択肢もあった。出会った仲間たちへの想いは強く、簡単な決断ではなかったはずだ。それでも彼はもう一度、海の向こうで生きる道を選んだ。一人のサッカー選手として、一人の人間として考え抜いた末に出した結論だった。

 ジュビロ磐田の松井大輔が、ポーランド2部のオドラ・オポーレに完全移籍することになった。今シーズン、磐田でのリーグ戦出場は7試合にとどまっている。メンバー外の悔しさも味わったが、負のオーラなどおくびにも出さず、チームのために日々を過ごしてきた。

 ベテランと呼ばれる選手が及ぼす好影響は、公式戦での活躍だけでは計れない。ピッチに立てなくとも、ベンチにいるだけで味方の士気を高められる。練習に取り組む姿勢やそこで見せる質の高いプレーは燻っている者を奮起させ、経験に基づく的確なアドバイスで周囲を導くこともできる。つまり、その一挙手一投足がチームの血肉となって活かされていく。

 そうしたプロフェショナルな姿勢を、名波浩監督もたたえる。

「(出場機会が少なくても)一切文句も言わずにやってくれていたし、こちらをリスペクトしてくれてもいた。気持ち良くやらせてあげられなかったかもしれないけど、不満の匂いさえも出さなかった」

 中村俊輔は、松井の存在に助けられた一人だ。横浜F・マリノスから移籍してきた背番号10は「すんなりジュビロに溶け込めたのはアイツのおかげ」と感謝を口にする。そして、日本代表で共に戦った盟友の決断をこう語っている。

「試合に出られないから(移籍する)とか言うような小さな男じゃない。自分のプレーや野心、そういう感覚を取り戻したいというか、輝きたいというのはあったと思う。悔いが残るのが嫌だったんじゃないかな。 ジュビロで終わるのが悔いなんじゃなくて、居場所があって幸せすぎるのが嫌、という言い方はしていた。アイツらしいね」

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